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毎年お客さんの御好意、御縁があって干し柿を作っている。
自分でも勿論採りに行くが良い柿は少ない。
やはり人の手間が掛けられている柿は立派な気がする。
それに今年は当たり年ではないように思える。
里山に行かずとも以前は近所にも柿の木はあった。
店のある金石では、ほぼ無いが周辺の町々には田畑がまだ十分広がっている。
数年前柿を戴けないかと、その辺りを回ったことがあったが、現代暮らしでは柿は邪魔物になりつつある。
『虫が湧くので』
『カラスが突っ突くので』
『落ちると汚い』
『誰も食べんし』
そんな事で柿の木は切った。
そんな方ばかりだった。
更に言えば田畑までもそんな状態ではなかろうか。
換金するのも結構だが行く末は荒廃なのではないだろうかと心配になる。
そんな品薄だった柿を酵母パン愛好者の庄さん夫婦から戴いた。
今は事業を辞められて悠々自適な暮らしをされている。
さぞかし頑張ってこられたのだろう。
今の暮らしぶりを見ていると、そう思えてくる。
パンを届けに行くと前回は奥さんの実家から送られてきたものを
『よかったら食べて』
と戴いた。
これは家で食べたのだが数日前に届けた際はタップリあった。
『何かパンに使えるなら持って行って、みんな甘柿やから食べてもいいし』
『干し柿にするので戴きます』
『甘柿でも干し柿になるの?』
『大丈夫、干せればいいんです』
渋かろうが甘かろうが干せれば良い素材になる。
これまでも何度もやってきたが別に差は無い。
次の日早速干し柿を吊るした。
柔らかいものが少しあったのでジャムを作った。
庄さんの奥さんもジャムにしていると言っていた。
『甘味は何も加えないので柿そのものの自然な甘さがいいのよ』
とのことだ。
手鍋に柿を入れて火にかける。
沸々としてきたので少し舐めてみる。
たるい甘味があるので、このままでいいかなとも思ったが少し遊んでみたいので、ココアと少し残っていた水飴を加えて煮込んだ。
とてもマリアージュな美味しさになる。
是非試して下さい。
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