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 水谷哲朗著 国内小説


 主人公は”僕”という一人称で書かれた若者。
 夢だけは壮大だけと、どこか間が抜けている。
 夢を実現するのだと計画し、実行に移していく若者の物語です。
 僕の人生は高校時代から始まります。

 うだつの上がらない高校生にも拘わらず、maiというマドンナ的存在の同級生をガールフレンドにすることが出来、一緒に東京に出て夢の実現に向けて歩き出す。
 maiは聡明な女の子で、夢は音楽家になること。
maiがチャクチャクと夢に向かって歩むのに対して、僕は頼りない。

 壮大な夢を実現するにはお金が必要。
 そのためには営業の力をつけないといけない。
 横浜のある会社に就職するが、やる気が半端な僕はすぐにクビになる。
 その間、maiとの仲もギクシャクしだし、ついに別れることになる。
 僕は故郷に帰るが職はない。

 ある時、沖縄にあるバーが、バーテン見習いを募集しているのを知り、僕は「これだ」と飛びつく。
 もう募集はしてない、というのに僕はメール攻勢し続け、やっと住み込みで雇って貰えることになる。
 これで僕の人生は上向くかに思えたが、チャランポランな性格のせいで、このチャンスも逃してまう。
 お客の女の子に手を出してしまったのが原因。
 でも僕にもいいとこがいっぱいあります。
 人恋しい性格だし、付き合いがいい。
 

 沖縄で過ごした少しの間にも何人もの男友達、女友達が出来、本土に帰った後も面倒をよく見てもらい、ホームレス寸前まで落ちぶれた僕を助けてくれるのだった。
 もう一つ、沖縄で助けてくれた人がいたのです。
 不思議な力をもつ老人です。この老人の力を貰って僕は再生するのです。

 再度ウチナンチュの援助を得て沖縄に渡った僕は今度こそ、自分探しに成功するのだった。
 成功の秘訣は、人との拘わりを大切にし、絆を深めることだったのです。
 

僕とは、著者、水谷哲朗本人だから、自伝ですね。
 彼は今は「稲穂プロジェクト」の一員として、沖縄のヤンバルクイナで最初に描いた「地球を救う」という壮大な夢に邁進しているそうです。

 読み終わった後、爽快な気持ちになれたのは、私が沖縄病だからでしょうか?
 この若者のように重度の沖縄病を患い、沖縄に移住した人は沢山います。
 舞台演出家の宮本亜門もその一人です。