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MAIの気ままブログ

タイで性別適合手術を受けたトランス女性です。
性別を変更して、社会に適合していくために奮闘しています!

性別適合手術を終えると、戸籍の性別が変更できるようになります。

名前は手術前にも変更可能ですが、私の場合は同時に変更の手続きをしましたので、その内容をお伝えしたいと思います。

またそれ以外の登録情報の変更も記録していますので、参考にしてみてくださいね。

戸籍変更【性別・名前】までの流れ

それぞれの工程ごとに準備や条件がありますが、大きな流れとしましては、

  • 性別適合手術を受ける
  • 家庭裁判所に申し立てをし、許可を得る
  • 区役所の戸籍課で変更の手続きをする

これにより、新しい性別・名前での戸籍謄本や住民票が作れるようになります。

この後から、マイナンバーカードや運転免許証、健康保険、年金などの変更手続きができます。

さらにはガス・電気・水道、家賃や管理費などから、
クレジットカード、銀行口座、証券口座、ポイントカード、ネットサービスのアカウントなどを変更し、スマホの契約情報、支払い方法なども変えていきます。

手続きをしてみて感じたことは、とにかく時間がかかることと、あまり前例がないことなので、対応してくださる方が手続きに戸惑われることが多かったです。

最初は勇気がいりましたし、どう思われているかが気になったりしましたが、どうせやらないといけないことですし、世の中の考え方も変化してきているのもあって、なんとかなるものでした。

この後からそれぞれの手続きの詳細をまとめていますので、参考にしてみてください。

家庭裁判所への申し立て【性別・名前同時変更】

最初に申し立てに必要な資料を準備します。
管轄の家庭裁判所によって必要な物が変わる場合もありますので、必ず裁判所の情報を確認してくださいね。

性別変更の申し立て

性別の変更には条件がありまして、おおまかに説明すると

  • 2人の医師による性同一障害の診断を受けていること
  • 18才以上であること
  • 結婚していないこと
  • 子供がいないこと
  • 性別適合手術をしていること

日本の場合はこのような条件となっています。
この条件もいろいろ議論はあるようですが、同性婚の対応を見ても分かりますが、日本は変わっていくのは時間がかかりそうですね。

それを踏まえた上で準備するものとしては

  • 戸籍変更用の診断書(2人の精神科医による承認が必要)
  • 戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 改製原戸籍謄本(人によってはいらないかも?)
  • 手術証明書(日本語の方)
  • 申立書(裁判所のサイトから印刷しました)
  • 収入印紙 ¥800(郵便局で切手と一緒に買いました)
  • 連絡用切手 ¥1,880(管轄によって値段が違うと思います)

以上を揃えて、後述する名前変更の申立資料と一緒に家庭裁判所に郵送しました。
連絡用の切手は規定の分から余った分がいくらか返還されました。

・戸籍変更用の診断書
こちらはGID診断書を1日で作ってもらった「早稲田通り心のクリニック」でまたお願いしました。
事前に先生に言われていたのですが、手術証明書をスマホで撮影し、先生宛にメールで送っておくと、診断書を作っておいてくれるので、当日はほぼ受け取るだけでスムーズでした。
2人の医師による承認が必要ということで、先生にいくつか紹介してもらった病院のうち、表参道の「アマラクリニック」が近かったので、同日に予約を取って行ってきました。

外観 お洒落な感じ

入口 味があります

独特な雰囲気のクリニックと先生でしたが、特に何か勧誘されることもなく少しお話してから承認を頂きました。
この診断書は性別変更の申立と、名前変更の申立で必要になるので、名前変更用と手元に残す用に2部コピーしておきました。

改製原戸籍謄本
これは人によっては不要かもしれませんが、私の場合は電話がかかってきて、送ってくださいと言われたので、区役所で発行してもらってから送りました。

性別変更の申立に必要な資料はこのような感じになります。

名前変更の申し立て

名前の変更は、手術前にする場合と、手術後にする場合で、必要な資料や条件が変わってきます。

手術前に名前の変更をする場合

私はこちらのケースではないので、聞いた話やネットで見た内容となります。

「名前の使用実績」が必要みたいで、希望する名前(通称名)で書かれた郵便物や公共料金の支払い明細書などを管轄によって決められた期間(〇ヶ月以上、〇年以上など)使用していた実績として送ることになります。

手術後に名前の変更をする場合

私はこのパターンになります。
正確には「性別変更と同時、もしくはその後に申立する場合」となると思います。

申立書にある、名前の変更理由として「異性とまぎらわしいため」となります。
性別が変わったのに、名前が元のままだと不都合があるからという理由ですね。

このケースの場合は使用実績は必要ないので、この理由を選択すれば変更できました。
準備する資料は性別変更の申立と同じものもありますが、基本的にそれぞれ用意します。

  • 戸籍変更用の診断書(コピーで大丈夫でした)
  • 戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 手術証明書(日本語の方)
  • 申立書(裁判所のサイトから印刷しました)
  • 収入印紙 ¥800(郵便局で切手と一緒に買いました)
  • 連絡用切手 ¥262(規定から余った分が変換されました)

性別変更の申立との違いは診断書がコピーなのと、改製原戸籍謄本がこちらはいらないのと、切手の金額ぐらいとなります。

「性別変更の申立資料」と「名前変更の申立資料」をそれぞれクリアファイルに入れ、A4封筒で家庭裁判所に郵送しました。

とても時間がかかりました【横浜家庭裁判所

資料を郵送してからは、ひたすら待つことになります。
今思えば、帰国してからある程度体が動かせるようになったら、すぐ手続きしておけばよかったと後悔しています。

知り合いの話や、ネットの情報だと、審判の日に家庭裁判所に行って裁判官と面談すると聞いていたので、そのつもりでいましたが、私の場合は行かないで終わりました。
途中、「審査に必要な照会書」という物が郵便で届いて、回答書に再度「間違いありません」「意思は変わりません」という内容を書いて送り返すというやり取りがあったのですが、これが裁判所に行っての応対の代わりだったのかなと思いました。

性別変更の確認書

名前変更の確認書

そして名前の変更については3週間ほどで許可書が届いたのですが、性別の変更は色々あって2カ月かかりました

東京家庭裁判所で手続きした知り合いは2週間ほどで終わったよと言っていたので、地方だと規模や人員が少ないのかなと思いました。

遅くなった要因としては、準備する資料でも出てきました「改製原戸籍謄本」を送って下さいと言われて一時手続きが止まったことがあります。人によってはいらないこともあるので、必要と言わるまで分からないです。
もう一つはタイミングが悪かったのですが、3月から4月にまたいだため、担当者が異動となったことでした。
1カ月以上経ってあまりに遅いと思って電話をしてみたら、そのように説明をされ、急いで欲しいと伝えたところ、その翌日に手続きされました。
うまく引継ぎがされていなかったのかもしれませんが、もっと早めに電話して急いでもらった方が良かったと思います。
さらには連絡用の切手が少し返還されたのですが、戻しすぎたから送り返して欲しいと言われ、ここでも手続きが止まりました。郵便なのでいちいち時間がかかるんですね。

このように思うところはありましたが、審査が通らなくなるといけないので、グッとこらえて大人の対応をしました。

そんなこんなで長かった裁判所の審判を経て、晴れて新しい性別と名前が許可されました!

戸籍変更の手続き

区役所の戸籍課で手続します。
許可書に書かれていたのですが、先に性別の変更をしてから、名前の変更をしてくださいとのことでした。

ここでもまた1週間から2週間ほどかかると言われ、ひたすら待つことになります。
身分証がないような状態なので、お仕事もはじめられず、もどかしい気持ちでした。
ちなみに住民票にはすぐに反映されて、戸籍に反映されるのが1~2週間ということでした。

お役所の手続きはこんなものだと慣れてきていたので、身の周りの整理や過去の清算をしていました。
スマホを変えようとか、LINEも作り直そうとか、いろいろ新しい生活のことを考えていました。

やがて性別に続いて名前の変更も終わると、いよいよ新しい戸籍となります。

これで戸籍の性別・名前の変更が完了となります。お疲れ様でした♪

その他の登録情報の変更

戸籍の変更が終わったら、ここから色々な登録情報の性別や名前を変更していきます。

マイナンバーカードの再交付
戸籍が変わっても、カードの写真は昔のままだったので、¥1,000かかりましたが、再交付をお願いしました。いったん返納するので手元にはなくなります。
新規で作るよりは早かったですが、それでも1か月ほどかかりました。

・健康保険証
受付して数分で新しい保険証を渡してもらえたので、びっくりしました。
今まで行っていた病院では、診察券も新しいものに作り直してもらえました。

・運転免許証
警察署に行って手続きをしたのですが、裏面に名前変更とだけ履歴が書かれただけでした。(記載事項変更手続き¥300)
当事者の気持ちをだね、、と言いたい気持ちを抑え、名前や写真が新しいものを作り直したいと言ったら、警察署では再発行はできないと言われました。
神奈川県の運転免許センターがある二俣川までその足で行って、写真を撮ってもらって即日再発行してもらいました。(¥2,250 写真代込み)
先に警察署で手続きをしていたので、確認の電話をされたりで時間がかかりました。最初から運転免許センターで手続きをするのが正解みたいです。
ちなみに写真を持ち込む場合は、受け取りは後日になるそうです。

・年金の記録
まず私は年金手帳だったので、それも送って「基礎年金番号通知書」に変えてもらいました。
今まで務めた会社の年金記録も全部修正しないといけないそうで、2か月ほどして変更完了のお知らせがきました。

・不動産の変更登記
私の場合は中古マンションだったので、登記名簿の名義変更をしました。
ちょうど令和3年から段階的に、変更手続きの義務化がされていたようです。
(法務局:https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000001_00017.html

申請書は法務局のサイトから印刷して、
収入印紙が土地と建物それぞれ¥1,000必要でした。
電話で予約しようとしたら、変更の場合は予約は不要でした。
手続きをしてから10日ほどで完了しましたが、こちらも名義変更しましたと書かれた紙1枚だけなので、ちゃんと名前が変わっているかを確認するには、登記簿の全部事項証明書などを発行しないと確認はできません。
私は家を売る時でいいやと、とりあえず義務化された変更手続きだけで終わりました。

ここまでが区役所など役場で行える手続きでした。

他の変更手続きでは、クレジットカードや銀行、証券の口座など金融に関するものはたいてい電話をして説明して、変更の申請書を送ってもらって、変更を証明する資料(戸籍謄本や住民票の写しなど)と一緒に返信するような流れでした。

ポイントカードやインターネットサービスは、ネット上から変更手続きできるものが多いですが、たまに電話やメールでのやり取りもありました。

私の場合は、これを機にあまり利用していないアカウントはほとんど解約・退会をしました。また必要だったら作ればいいかなと思います。

このような感じで、結構な作業量でしたが、登録情報の変更をしました。

ここからスタートです

人生2週目ではないですけど、ほぼほぼリセットされた状態で再スタートとなります。

嬉しい気持ちもありますが、いろいろ勝手が違うので大変なことも多々あると思います。

決意をして、手術をして、戸籍を変えて。
こんなはずじゃなかったと後悔もあると思いますが、それも自分です。

自分で認めてあげて、素敵な人生になるように、楽しんで、生きていきたいですね。