夕方、娘から突然の


 「なにわ男子」推しを卒業する!


 宣言。


 話を聴いてみたところ、特に何かあったわけではない。つい2週間前にはライブに行ったばかりのはずだが、どうやらそれも自分が気付くきっかけになったらしい。周りの熱狂的なファンを観て「あ、私はここまで好きじゃないんだな」と冷めた自分がいたとか。いや、もちろん楽しくて終わった後も興奮してたけど。


 少し経って日常に戻ると次はドームツアーの申込、当選した場合はまたグッズを買うのか?とか次々と課金ゲームのようにお金が出ていく。それに疲れたし、お金を遣いたくなくなったとのこと。他にも理由があるようだが、


「今の生活に満足してる。忙しいけど、勉強、家事、ダンスも楽しい。家のなかで音楽流して踊ったりしてるよ!」


 と。つまり、やりたいことがたくさんあって忙しく「なにわ男子」どころではなくなったようだ。(そういえば、ボランティアにも申し込んでいた)

 

 そうなんだ。娘はいつも何かを探していた。なんでも良かったんだと思う。自分が夢中になれて現実から目を逸らすことができる何かを探していた。自分が向き合わなければいけない課題に向き合えずに推し活に逃げようとする娘といつも衝突していた。なぜなら、娘は少し前まで推し活しても全く楽しそうではなかった。むしろイライラしたりモヤモヤしたり自分に自信を失くしていく。そんなことをここ何年かずっと繰り返してきた。


 最近は、程よく「なにわ男子」を応援する方向で落ち着いてきたところだったので少し驚いた。一人暮らしを始めて、アイドルではなくリアルに視野が広がり俯瞰できるようになったんだと思う。自分の課題に向き合えるようになったのかまではわからないけど、今、娘のなかでジェットコースターのような変化が起こっている。多感なこの時期に、いい意味でも悪い意味でも刺激を受けられる環境で過ごせる選択をしたことは間違っていなかったと改めて実感した。


 「なにわ男子」の推し活は、のめり込んでアホなことを言い出すあぶなっかしい思春期の娘との思い出。揉めることも多く本当に悩んだけど、今思うと懐かしい。娘は娘で一所懸命、自分を表現しようとしてたんだな。これからは違うかたちで自分を表現するんだね。