娘が「起立性調節障害」と診断されたときに読ませた本です。1年ちょっとたった今、改めて読んでみました。娘は症状が悪化したり、不登校になることもなく、診断されてから2ヶ月後にはすっかりよくなりました。当時の症状は決して楽観視できるものではなく、「うつ状態」にあったと思います。なかには長引いている人もいるなか、比較的早く回復した要因は何だったんだろう?と考えていました。様々な場面での判断が功を奏したこと(主に母である私の判断)は夫も娘も認めてくれていますニコニコそれと同時に、症状がでるまでの家族の関係や、本人の気質、過ごしかた…などそれぞれの事情によって比較的早く回復する子と長引く子との違いがあるように思いました。回復の条件はそんなに短絡的ではなく、我が家の場合はたまたまうまくいったのだと思います。


 それでも、私がずっと娘を見てきて、回復した今改めて「これを実行したからよくなったのかな」と思うことは…


かかりつけ医で適切な薬を処方してもらった


 ・血圧を上げる薬…医者には言われませんでしたが、本で「起床の1時間前に飲ませる」とあったので枕元に薬と水を用意して寝ぼけてる娘の口に入れて飲ませた。→飲み始めてすぐに朝起きるのが楽になりました。


 ・酸化マグネシウム…過敏性腸症候群の症状が続いていたため処方してもらいました。→受診する前から市販の薬も服用していましたが、あまり効果はありませんでした。


絶対に学校は休ませなかった

  

 娘の主治医からは「遅刻でも保健室登校でもいいから絶対に朝は起こして学校に送り出してください」と言われました。つらそうな娘を見ると休ませたかった日も度々ありましたが、何とかして登校させました。


悪いストレスを取り除き、適度なストレスを与えたこと。


・悪いストレス…(1)当時娘を無視していた友だちと中3ではクラスを離してもらうように担任にお願いしました。→これだけでも娘はホッとしたようです。(2)こだわっていた英検準1級の取得に向けての勉強法を変えました。完全にやめることは拒んだので、自学学習ではなく英会話スクールの力を借りて学習を続けることで合意しました。(3)進学、高校受験のことよりもとにかく、娘の心身の回復を願って夫婦で話し合い、娘に勉強のプレッシャーをかけないようにしました。(4)スマホや、ゲームを一切させませんでした。


・良いストレス…(1)主治医の先生が娘にはっきり話してくださった→「起立性調節障害」と診断され、更に「絶対に治るから。でも、今、学校がつらいからといって、不登校になると行きたい高校にも行けなくなる。その先もずっと引きずることになるよ。スマホやゲームは控えて生活習慣を整えて何とか登校すること。」と適度にプレッシャーをかけてくださいました。当時は私に反抗していたので私の言うことは聞きませんでしたが、先生のお話には硬い表情でじっと耳を傾けていました。(2)学校の成績には最後までこだわらせた→これまで定期テストは「満点を目指す」、5教科の評定は「オール5」を目標に頑張ってきた娘。(ここまで「オール5」です)「最後までやりきろう」と様子を見ながら側にいて、学期末まで学校の勉強は続けさせました。


 うつ状態だった当時は、家族のなかだけはどうにもなりませんでした。どんな話題でも否定的にとられ、すぐにイライラしたり、泣きだしたり、嘘をついたり、無気力になったり。かと思えば、勉強に向かえないことに焦って突然机に向かいだしたりと、不可解な行動が目立ち1人にしたら死んでしまうのではないかと毎日目が離せませんでした。何をしてもお互い空回りで本当に辛かったです。度々喧嘩していましたし、高校は私たちから離れて遠く離れた実家にお世話になるか寮に入ったほうがいいのではないかと思うくらい、傷つけあっていました。


 私たち夫婦の話は一切受け入れない娘にとって、主治医の先生からのアドバイスは本当にありがたかったです。第三者から言われたことで、娘も冷静になりスマホを触らなくなりました。(それまで依存気味だった)登校は相変わらずイヤそうではありましたが、体調は見るからによくなっていました。


…が、体調はよくなっても以前のような穏やかな娘にはなかなか戻りませんでした。もちろん、反抗期もあったのでしょうが…。完全サポートで寄り添っていた私もついに決壊し、娘が目を覚ます(覚さざるを得ない)出来事が起こるのです。     


            つづく