皆さん、こんにちは。

大きな仕事(プロジェクト)がひとつ終わって、時間ができたベルーガです。

今週はひまがあったので、編集スタイルガイドを読むなど、のんびりと仕事をしています。

 

<スタイルガイドで見つけた基本語の使い方>

 

さて、このスタイルガイドは、似た意味の英語表現の違いが英語で解説してあるものです。

例えば、Because of と Due to の違いとか。

その違いについて、次のように書いてありました。

 

Incorrect: XXX due to YYY. This sentence should read: XXX because of YYY.

 

ところで、ベルーガは本能で(?)英語を日本語にしながら読む癖がついてしまっています。

(英語を日本語に訳しながら読むということではなくて、日本語だったらどのような表現をするのが適当だろうと考えながら、という意味です)

上記の文も、何となく日本語にしていたら、

「This sentence should read」は、「この文は、次のように書くべきです」って。

はて?(朝ドラのセリフのマネ)

「read」って、「書く」だっけ? 「読む」だっけ?

まあ別に、「この文は、次のように読むべきです」でも意味は通じるとは思いますけど。

 

<日本語と英語の言語空間>

 

日本語と英語の言語空間って、微妙にずれていることは、よくありますよね?

例えば、「go」と「come」は、日本語の「行く」と「来る」に完璧に対応するわけではない、というのは有名な話です。

厳密には、もっと深いでしょうが、日本語の「行く」と「来る」は、自分の立ち位置が中心で、自分から離れる、自分に近づく、という感じで、英語の「come」は、何らかの目的というかゴールが中心で、それに向かっていく感じでしょうか。「go」はだいたい日本語の「行く」と同じような気がしますが、「come」の意味空間が日本語の「行く」の意味空間に重なることはありそうです。

 

さて、同様に「読む」と「書く」、「read」と「write」についても考えてみました。

前述の、「この文は、次のように書くべきです」と訳した read を、辞書(Merriam-Webster English-English dictionary: https://www.merriam-webster.com/dictionary/read)で調べてみると、「5. to use as a substitute for or in preference to another word or phrase in a particular passage, text, or version」という意味がありました。

「特定の内容において、ある語の代替として使われたり、それより好ましいものとして使われたりする」という感じでしょうか。

どうやら、「This sentence should read」は、この意味で使われているようです。

これに対して、日本語の「読む」は、大雑把に言うと「意味を取る」、「書く」は「文字や符号を記す、著す」という感じで、上記の英英辞典の5番のような意味はないようです。

 

<こういうずれを認識することが重要…かも?>

 

では、なぜベルーガの頭の中では「この文は、次のように書くべきです」と変換されたのでしょうか?

それは、スタイルガイドは紙(やパソコン上)に文字で記す際のルールを示すものであり、文字で示すのは日本語では「書く」という動詞が使われるから、だと思います。

英日翻訳はできても日英翻訳は難しいな、ということをあらためて感じました。

つまり、「This sentence should read」は、「この文は、次のように書くべきです」と本能的に訳せますが(ここでは、きれいな訳かどうかは問わない)、「この文は、次のように書くべきです」を「This sentence should read」とは訳せないだろうな、ってことです。

なぜって、ベルーガが日本語ネイティブだからです。

昔読んだ本に、外国語→自国語(母語)に翻訳はできても、逆は難しい、というようなことが書いてあったのを見たことがあります。

なんか、人間が言葉を習得する能力というのは奥が深いな…。