前回、Chat GPT と Google 翻訳(無料版)に、英文を翻訳させてみました。

今回は、最近、ベルーガが改めて気づいたことを書いてみたいと思います。

 

<機械翻訳(AI 翻訳)は、頭はいい>

 

機械翻訳や AI 翻訳は、大学入試の英文和訳なら、合格点が取れるでしょう。

つまり、英語を正しい日本語に直すことはできるということです。

ということは、精密でないコミュニケーションであれば、実用化可能なんじゃないかと思います。

実際、巷には、自動翻訳アプリなんてものもありますしね。

ちなみにベルーガも使ってみたことがあります。

駅の窓口で複雑な経路の切符を買うとき、後ろに並んでいた中国人に、「ちょっと時間がかかりますがお待ちください」のような日本語を中国語にして見せたら、うなずいてくれていました(残念ながらベルーガは、中国語はできません)。

 

<英文和訳と翻訳の違い>

 

では、英文和訳と日本語への翻訳は何が違うのでしょうか?

そんな議論をした本を昔読んだことがあるような気がしますが、やっぱり自然さでしょうかね。

「自然さ」とあっさりした言葉を使ってしまいましたが、もう少し深く説明を試みてみます。

 

例えば、大学入試レベルの英文で、「She came to my house where I live alone.」というのがあったとします。

模範解答は、「私が一人暮らしをしている家に彼女が来た。」くらいでしょうか。

 

ところが、現実の日本語では、「彼女」を使うことは少ない。

「I」が男か女かで状況はだいぶ変わる。

また、「She」や「I」の年齢もわからない。

 

これでは、自然な日本語は作れないですよね。

では、どうしたらよいか?

状況(コンテクストと呼びます)が必要です。

 

状況1:一人暮らしの大学生(男)の家に、ちょっと気になる女の子が来た場合。

「俺は一人暮らしなのだが、○○ちゃんがうちにやってきた」

状況2:夫に先立たれた 80 代のおばあちゃんの家に、離れて暮らす妹(70 代)がやってきた場合。

「一人で住んでいる私のところに妹がやってきました」

などなど…。

 

という風に、翻訳には状況(文脈)の把握が必要なのです。

文脈もわからずに「She came to my house where I live alone.」の意味を聞かれたら、入試の英文和訳よろしく、「私が一人暮らしをしている家に彼女が来た。」と答えるしかありません。

これが、現時点での機械翻訳の限界かなと思いました。

 

<実際の翻訳で必要なもの>

 

ベルーガが携わっている翻訳では、彼女が家に来たような文はまず出てきませんが、文脈や状況の把握はやっぱり必要です。

それから、それを日本語らしく表現することが必要です。

それについて、次回考えてみたいと思います。