イチジクのさし木のすべて(基礎知識④) | 園芸スキル1のボクでもできるイチジクの育て方

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根源体の発現とその発達過程

 

さし木前、すでにさし穂中に
根の”もと”を有しているものと、
さし木後はじめて根の始原体が発現し、
発根に至るものとがある。


さし木における発根は、
ほとんどが後者で、
このような根を不定根と呼んでいる。

 

イチジクの発根

 

既存の根源体

 

一般の植物では、ふつうの状態では
枝条中に根源体は形成されていない。


しかし、ある種の植物では、
ごくふつうの状態で枝条中に
根源体の形成されるものがある。

このような根源体を形成するものは低木類に多く、
さし木発根の容易な種を多く含んでいる。

根源体をもつ植物をさし木した場合、
この根源体がまず発根する。

 

 

根源体の発現部位

 

根の発現部位として

成層、篩部、篩部柔組織、内鞘、

関連のある組織として

髄線、皮目があげられる。

 

※篩部(しぶ)とは
植物の維管束を形成する部分で、
篩管を中心として

篩部繊維、篩部柔組織、伴細胞

からなるもの。
同化物質の移動、植物体の支持、

養分の貯蔵などの役割を持つ。

 

 

根源体の発達過程

 

発現した根源体は、はじめ分裂細胞を増して、
かたまりとなって発達し、
やがて厚膜繊維組織などの硬い機械組織をさけて
皮層、表皮へと伸長し発根に至る。

イチジクは、

さし木後さし穂の基部肥大がみられるが、

内部組織、とくに皮層柔組織の

細胞伸長、肥大がみられ、
ところどころに亀裂を生じ、

それは篩部組織にまで及び
根源体は形成層および形成層に接する

篩部付近に発現し、
先の亀裂を生じた組織をとおって

比較的容易に発達し、発根に至る。

比較的発根容易な樹種の特徴は、
さし穂基部の組織的な変化が大きく、
明らかに組織中の代謝活性の

活発さが推測される。
そして、このことは根源体の発達を

容易にすることに役立っている

と考えられる。
 

 

参考文献:

町田英夫著 『さし木のすべて』

誠文堂新光社 1974/1/1

 

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