ペナン島に行くときに助けてくれたマレー人の言葉が忘れられない。

船に乗っている時に、彼女がバッグのポケットにむき出しで入っている100リンギット(3000円くらい)と財布を見せてくれた。

「こっちの財布はおとり。もし襲われた時にこれを差し出すの。大金は違うところに隠しておくのよ。」

現地の人が襲われたときを想定しておとり財布を持っているなんて。
そんなもの考えたことも無かった(ToT)

なんて平和ボケしている日本人の私。


治安の良すぎる日本がすごく好き。
だけど、日本しか知らない自分がすごく恥ずかしい。

だからこの旅でも色々なトラブルに合う。

小さい頃から母親に
「世界にはご飯もろくに食べれなくて学校に通えない子がたくさんいるのよ。」

と言われていた。

本当にそんなのあるの?まるで宇宙の話ね。
学校に通わなくて良いなんていいな。学校つまらないから行きたくないよ。

実際母の言葉が実感できたのは大学1年の頃にフィリピンへボランティアに行ったときだった。
学校に通えない子供達がいて、ストリートチルドレンがいて、ゴミ山に本当に人が住んでいて・・・。

どうして私はこんな贅沢をしているのか。
普通に生きているだけだと思ったけど、それがこの子達にとってどんなに贅沢な生活なことか。
どうしてあなたたちはここにいるの。

子供達を日本に連れて帰りたくなった。

だけど私は貧困に悩む子供たちに募金もしないし、またフィリピンへボランティアに行こうとも思わない。
そんな子供達を救うための仕事をしようとも思わない。

稼いだお金は募金せず、綺麗な洋服を買って、残りは旅資金への貯金になる。

なんて冷血な人間なんだろう。
私は自分も人間もよく分からなくなった。
考えれば考えるほど謎は深まるばかり。

しかしそんな悩みも帰国して一週間もすれば消えていった。

そしてここへ来て再び考える。
どうして日本は、私は、・・・。

自分が何を考えようとしているのかも分からない。
とにかく、もうよく分からない。

私は地球に住んでいるのに地球を全く知らない。
すっごく小さな島国でその島国でしか通じない言葉だけを話す。
そこでしか通じない文化を持っており、それが全世界共通だと思っていないけど実際思っているんだ。
地球に住んでいても、地球の人とコミュニケーションが取れない。

なんてつまらない人生を歩もうとしているの!?

なぜ私は日本語でしか会話ができず、外国人たちは遠い国の外国人たちと会話ができるの?
どうして私は日本人・・・。

まるで牢獄にいるかのような受験時代。孤独とストレスに耐え続け突破し、牢獄から出た先にあったのはつまらない大学生活。
一日10時間毎日勉強しても行きたい大学には入れず。

大学卒業後は?
私は一体、何になるのかな(^^)
もう、つまらない人生しか待っていないのではないか。

帰国したら私は就活を始める学年になる。

時間はあっという間に過ぎていく。
まだ自分が何をやりたいかなんて分からない。

私は大好きな演劇を捨てて大学受験を選んでしまった。
その後何度も演劇をやろうとしたけど、今私は旅を選んでいる。
去年も昔の仲間を集めて演劇をやろうと思ったが、失敗に終わった。

だから、今私には何も無い。

つまらない人生を歩むつまらない人間。

母は言う。

「普通が一番。普通に生きていくことが一番幸せなのよ。」


私は小さい頃、この言葉がずっと理解できなかった。
そしていまは分かる。私と母は違うんだと。
私にとって、普通が一番辛いのである。

フィリピン留学中に一緒だった台湾人全員、ワーキングホリデーを終えてからフィリピン留学をしていた。
先生に「Bellはワーホリ行かないの?」と聞かれたが、「大学があるから行けないよ。」と私は答えた。

マレーシアのホテルで、ふとその言葉を思い出した。
そして何か強い衝撃を受けた。




そうだ、ワーホリに行こう。


そこに答えがあるかもしれない。
色々な人と出会って話をするだけで貴重な体験だ。
日本じゃ絶対に出会えない人たちと出会えるかもしれない。
オーストラリアは移民国家だから多国籍の友達ができる。
英語も上達するだろうし、色々な文化を見ることができる。
最高じゃないか!!
よし、休学しよう。

帰国後、私は速攻休学届を出しに行った。