子供というのは、親が思っている以上に悪いことをしてるし、冒険して経験して失敗しているものなんだなぁと、つくづく思い知らされた出来事がありました。

息子が14歳の時、電話がかかってきました。
学校の先生から。

息子がバイクで事故をして救急病院に来ているという連絡でした。

怪我は脳内に少しだけ出血があったけど、大したことはなく、次の日には退院できました。

なんでそんなことになったのか?

バイク屋さんにあった売り物のバイクを盗んで、隣の学校の友達と乗り回して遊んでいて、運転は先輩がしていて、息子は後ろに乗っていたそうです。

警察に追いかけられて、電信柱にぶつかったということでした。


息子は毎日朝起きたら朝ごはんはうどんと決まっていて、それを食べたら学校へ行っていました。

サッカー部に入っていたので、帰ってくるのは暗くなってからでした。

まさかバイクを盗んで不良たちと遊んでいるなんて、微塵も思ったことはなかったので、驚いたしショックでした。

そして息子は、そのバイク事故以来、堂々とヤンキーへの階段を登り始めました。

私はうつ病で、それらのショックで動けなるという現象に陥り、息子はやりたい放題で学校も行かず、私の知らない友達を入れ替わり立ち替わり連れてきて、あるときは数日うちに泊まらせたり、あるときは数日帰って来なくなるということがありました。

学校の先生や児童相談所の担当者の方は、私の体を気遣ってくれて、
「息子のことは先生や児童相談所などに任せて、お母さんは自分の病気が悪くならないようにだけ気をつけてください」と言ってくれました。
私はうつ病の症状がひどくて、自傷行為をしてしまい、入院したりもしました。

そして、その入院中、警察から病院に電話がかかってきて、逮捕しましたと言われました。

でも、正直なところ私はホッとしました。

これで人に迷惑をかけることができない環境になる、と。

ところが家の鍵を息子は友達に渡していたらしく、うちは不良中学生の溜まり場になってしまっていました。

夜中も奇声が聞こえたり、足音がうるさいなど近所から苦情が来ていると管理会社から連絡がありました。

このままでは、強制退去になりますと言われました。

息子は警察から鑑別所に移され、学校付きの更生施設に入ることになりました。

息子がいない間に、不良たちと切り離すために、引っ越しをすることにしました。

息子は更生施設で約10ヶ月間他府県の田舎の山奥で暮らしました。

そこには父親、母親代わりの寮長さん寮母さんがいて、ほかの少年たちと共同生活をしながら、生活の指導、勉強、スポーツ、農作業、家事、マラソンなどして、たまに川遊びをさせてもらったりして自然の中で暮らしました。

2週間に一度面会に行っていましたが、その時の息子は、あのヤンキーの息子とは別人みたいに素朴な田舎の少年になっていました。

子供って環境でこんなに変わるのかと驚きました。

寮母さんや寮長さんのいうことを聞いて、規則正しく礼儀正しい少年になっていました。

本来ならそんな施設には入ってほしくないものですが、私は息子が更生施設に入ったことは良かったと思っています。

もしあのまま捕まらずにいたら、更生施設に入ってなかったら、経験できなかったことをたくさん経験できたし、悪い友達とも縁が切れました。

息子は自分が悪いことをして捕まったことについては、息子なりに2度としないと心に誓って帰ってきたようでした。

学校のクラスで授業を受けて、部活をして、家に帰って宿題をする。

それが当たり前の中学生活だと母親の私は思っていて、そうしているものだと信じて疑わなかったのですが、そういう生活で得られるはずだったものは得られなかったかもしれませんが、ほかの中学生が得られない貴重な中学時代を息子は過ごして、結果的に息子にとっては良かったのかもしれないなと思います。