ロレックスのディフュージョンブランドとして誕生し、各種パーツにロレックスのパーツが採用されているのにもかかわらず、比較的安い価格で購入できるのがチューダーです。
しかし、魅力は価格だけではありません。
ロレックスと同じモデル名でもある「サブマリーナ」にはチューダーのアイデンティティでもある「イカ針」を採用したことで独自の人気を誇っています。
ロレックスの廉価ブランドではなく、ひとつのブランドとして独自の道を開拓してきたチューダー、その中でも特に有名なモデルが「ブラックベイ」「レンジャー」かと思われます。ですが、「ペラゴス」もそれに劣らず人気を得ているのです。
同じダイバーズウォッチの「ブラックベイ」シリーズよりもプロダイバー向けの性能を持ったモデルで、ケースにはチタン素材を採用し、腐食や傷に強く堅牢性が高いものとなっています。
ペラゴス
ペラゴス25600TN
ペラゴスは、ダイバーズウッチにおいて最も完成度の高いウォッチのひとつで、長年にわたるダイビングのプロのための時計開発集大成として2012年に誕生しました。
ペラゴスの最大の特徴ともいえるフォールディングクラスプは、チューダーが独自開発したスプリングメカニズムを備えています。
この技術によってダイビング中にブレスレットの「自動調節」が可能になったのです。
ダイビングの際に潜水すると連結部が圧縮されてしまい、ブレスレットは収縮します。そして、ダイバーが再び水面に出た時には水圧が減少し、ブレスレットが拡張してしまいます。
ですが、ペラゴスのブレスレットは伸縮機能を備えたラバーストラップも付属しているので過酷なダイビング中の条件にも適応しているのです。
2015年に発表された「ペラゴス 25600TN」はヘリウムガス放出バルブという、時計に入り込んだヘリウムを時計の外に逃す機能を備えています。
そもそも、時計にヘリウムガスが入り込むの?という疑問が浮かんできます。私もダイビング経験が全くないので調べてみました。
プロのための
潜水には様々な種類があるそうです。
その中でも大きく分けると、スキンダイビング、スクーバダイビング、飽和潜水になります。
スキンダイビング:素潜りとも呼ばれる、息を止めて潜水するアクティビティ。水中呼吸装置は使わず、ライセンスも不要なので気軽に楽しむことができる。
スクーバダイビング:空気を詰めたタンクを背負い水中世界を楽しめるマリンレンジャー。
飽和潜水:水深100mを超える超大深度への潜水を実現するため、体を心海の圧力に耐えられるようになれてから行う技術。
スキンダイビングには「日常生活防水」と呼ばれる10気圧〜20気圧防水の時計を、スクーバダイビングには100~200mの耐圧性を持つ時計を。ダイビングにも種類によって時計を使い分けることができるみたいです!!
この2つは楽しみながらできるマリンスポーツになりますが、飽和潜水は非常に難易度の高い潜水になります。
深く潜るにつれて呼吸ガスの圧力は大きくなります。そのため、深く潜る際には窒素に変わる気体を混合させたガスが必要になります。
それに使われるのが『ヘリウムガス』なのです。
そして、なぜ「ヘリウムガス放出バルブ」が必要なのか。
ヘリウムは非常に小さいため加圧室の生活環境にいると容易に腕時計の中へと入り込み充満してしまいます。
ヘリウムガス排出バルブは減圧室に入る前に腕時計に侵入したヘリウムを外へ排出する役割を持ちます。
プロの潜水士には欠かせない機能なのです!!
まさにペラゴスはプロ向けの時計といえるでしょう。
ですが、現代ではスポーツウォッチを普段使いしたり、オシャレ、コレクション目的で使用している人の方が多いのではないのでしょうか。
そんな流行にも適応した『ペラゴス39』は2022年に発表されています。
性能のちがい
ペラゴス39とペラゴス25600TNを比べてみましょう。
左:25600TN 右:ペラゴス39
変化① 25600TNのケースサイズは42mmに対しペラゴス39は39mmとサイズダウンしています。
これが一般ユーザーに向けているというのが1番わかりやすい変化だと思います。
素材はチタンと同じですが、総重量が25600TNは約147.39g、ペラゴス39は約111.01gと軽くなっています。
ダイビングではなく、仕事やプライベートで使いたい人には丁度良いサイズ感なのではないでしょうか。
変化② 25600TNは500m防水に「ヘリウムガス排出バルブ」が搭載されていますが、ペラゴス39は200m防水とスタイリッシュになっています。ヘリウムガスの機能は無くなってしまいましたね。
変化③ 一見、デザインは変わっていないように感じますが、デイト表示がペラゴス39の方にはありません。その代わりに「PELAGOS」ロゴの部分が赤色に変わりアクセントとして目を惹くデザインとなっています。
比べてみると結構変化していますよね!従来のペラゴスはやはりプロダイバー向けに作られていて、それに比べてペラゴス39は軽くなりカジュアルになったように感じます。
もちろん、一般向けに売り出されているペラゴス39も文句ない高性能なのでスポーツウォッチとしても間違いなく活躍してくれます。
当店のユーチューブにも比較動画がアップされていますので、ぜひご覧ください。
ペラゴス39
ペラゴス39のムーブメントには「MT5400」を搭載しています。これはブラックベイ58モデルでもお馴染みの自動巻ムーブメントで、パワリザーブ70時間を誇ります。
チューダーならではのサテン仕上げのマットなケースと、サンレイ仕上げによる微細な光沢がある文字盤がなんとも美しい組み合わせに。
そして、ペラゴス39のブレスレットにT-fitフォールディングクラスプが組み込まれました。これは、工具なしに微調整が可能な機構で、利便性抜群です。
性能だけではなく、デザインにも力が入っているのはとても嬉しいですね!!
シンプルな服装にも締め色としても合いそうです。
まとめ
本格的ダイバーズウォッチから現代のスタイルに合った時計などこれからの進化にも期待できる「ペラゴス」はいかがでしたか。
他にも左利きの方に適した「ペラゴスLHD レフトハンドドライブ」やフランス海軍とコラボレーションした「ペラゴスFXD」などの種類があります。
その中でもペラゴス39はダイビングに挑戦する機会にも良い時計なのかもしれません。そして、海の中だけではなく普段のオシャレのワンポイントとなり、ビジネスシーンのお供となってくれるでしょう。
価格も比較的安く、高性能な時計を探した時に名の上がる「TUDOR」。ペラゴスは着け心地が良くと安心感を与えてくれます。ぜひ他の時計と着け比べてみてください!