圧倒的な輝きで目を惹きつけられるゴールド。
腕時計ブランドには、独自の合金を作っているブランドがあります。
代表的なものとして、ロレックスはエバーローズゴールドという唯一無二の素材を作り上げました。
世界三大時計のひとつオーデマピゲにも、独自に作り上げたゴールドがあります。
今回は、オーデマピゲが輝かせたゴールド「フロステッドゴールド」についてご紹介します。
合金は何のために?
そもそも、ブランドが独自に合金を作る目的は何でしょう?
例えば、金は経年により酸化して変色を起こすことがあります。
特にピンクゴールドは変色しやすく、その課題を克服したのがロレックスのエバーローズゴールドです。
エバーローズゴールドに含まれている18金は約75%で、残りの25%は別の素材を配合しています。
変色した古いロレックス(750刻印=18金)
変色に強くなったエバーローズゴールド
このように、元々の素材の課題を解消することを目的に独自合金は作られます。
もちろん、ブランドによってはそれだけではないでしょう。
素材のデメリット解消にプラスして、ブランドの付加価値を高めることに重きを置いている場合もあります。
フロステッドゴールドは、どちらかというと後者の側面が強く出た合金です。
フロステッドゴールドとは
オーデマピゲ フロステッドゴールドの誕生は2016年。
ジャクリーヌ・ディミエがデザインしたロイヤルオークの40周年を記念したモデルとして発表されました。
このモデルがレディース ロイヤルオークだったこともあってか、装飾テクニックには"フィレンツェ仕上げ"と呼ばれる、ジュエリーの技法が取り入れられました。
ダイヤモンドを取り付けた工具でゴールドの表面を打ち、無数の小さなへこみを作ることで、ダイヤモンドダストのような優しく繊細な煌めきを発するようになります。
フロステッドには"霧に覆われた"という意味があります。
その名の通り、霧がかったような淡く美しい輝きが味わえるのは、オーデマピゲのフロステッドゴールドだけです。
メンズモデルへの採用
当初、レディースモデルとして発表されたフロステッドゴールドですが、その輝きは男性の時計愛好家たちの心も魅了しました。
繊細で上品な煌めきは、金や宝石とは異なる特別な魅力があったのでしょう。
フロステッドゴールドはラグジュアリー色が強いですが、41mm径のメンズラインと組み合わせても全く違和感はありません。
オーデマピゲが魅せる、力強さと華やかさの融合といったところでしょうか。
前述した通り、フロステッドゴールドは非常に手間のかかる技法で作られています。
ほとんどが限定生産で数に限りがあるので、雲上時計オーデマピゲのなかでも更にハイエンドな高級モデルです。
手に入れることができた人は、本当に幸運の持ち主ですね。
エレガントな一本
オーデマピゲが独自に作り上げたフロステッドゴールド。
その美しさは職人たちの努力あってこそ。
へこみの一つ一つに想いが込められているかと思うと、ぐっとくるものがあります。
繊細かつエレガントな極上のモデル。
出会えたその時は、美しい輝きにたっぷりと、魅了されてください。