こんにちは。
腕時計専門店ベルモンドです。
タグホイヤーの人気モデルといえば?
と聞かれると、カレラやアクアレーサーが頭に浮かんだ方がほとんどではないでしょうか?
ですが、中には”モナコ”を思い浮かべた方もいらっしゃることでしょう。
モナコは人気モデルながら、少しばかりニッチな印象もあります。
今回は、タグホイヤー モナコの歴史的背景を見ながら、その魅力をご紹介いたします。
モナコの歴史
モナコの誕生は1969年。
F1選手権、世界三大レースの一つである”モナコ グランプリ”を由来にして作られたモデルです。
当時、モナコは
①世界初のスクエア型 防水スポーツウォッチ
②世界初の自動巻クロノグラフ搭載機
として注目されました。
しかし、偉業を成し遂げたモデルであるにも関わらず、モナコの売上は芳しくありませんでした。
その要因は、フォルムが斬新すぎて受け入れられなかったこと、革命的な時計であるが故にムーブメントの価格が割高だったことが挙げられます。
そして、1960年代後半に起きたクオーツショックの影響を受けたことも、売上不振に繋がりました。
映画”栄光のル・マン”でリバイバルヒット
モナコ発売から2年後の1971年、運命を大きく変える映画が公開されました。
それが”栄光のル・マン”です。
世界三大レースの一つ、ル・マン24時間レースをモチーフに製作された映画で、主演のスティーブ・マックイーンが映画でモナコを着用し、映画のヒットと共に話題となりました。
しかし、世間はクオーツ時計ブーム。
知名度は上がるものの、ヒットの売上にはならず、その後、モナコは生産中止を余儀なくされます。
クオーツショックの影響はしばらく続き、機械式時計の人気復活は1990年代頃までかかりました。
その後、長い時を経て、2009年にモナコ生誕40周年を記念して、”スティーブ・マックイーンモデル”が発表されます。
スティーブマックイーンモデル Ref.CAW211P.FC6356
このモデルの発表は多くのファンを沸かせ、リバイバルヒットとなりました。
モナコは1998年に復活を遂げていますが、リバイバルヒットまでは10年以上の年月がかかっています。
”スティーブ・マックイーンモデル”のヒットにより、モナコは現在の地位を確立しました。
モナコの魅力
人気モデルになるまで長い道のりがあったモナコですが、モナコの魅力は大きく3つあります。
モナコの魅力
①ヒットまでにストーリーがある
②特徴的なフォルム
③レフトハンドモデルがある
一つずつ触れていきます。
1. ヒットまでのストーリー
これは前述の通り。
モナコのヒットまでには長い時間がかかりました。
不遇だったモデルが長い時を経て人気に火がつくというのは、非常にストーリー性があってワクワクさせられます。
モナコ誕生の頃からファンだった方は、リバイバルヒットした時はきっと胸が熱くなったことでしょう。
同じ時を過ごせたことを羨ましく思います。
2.特徴的なフォルム
モナコが誕生した当時、スクエア型(角型)のスポーツウォッチは革命的な発明でした。
なぜなら、スポーツウォッチに求められる防水性と防塵性を、スクエアケースで実現することは難しかったからです。
時計は丸いケースが主流だったので、当然、ムーブメントもパッキンも丸型。
そこで、タグホイヤーは専用の角形パッキンを自社制作しました。
専用のパッキンを使い、気密性の高い蓋でムーブメントを挟むことで、スクエアケースによる問題を解決しました。
3.レフトハンドモデル
モナコにはレフトモデル、つまり、左リューズの用意があります。
その理由は、ヨーロッパ諸国では左ハンドルの採用が多いことが挙げられます。
左ハンドル車は、基本的に左手でハンドル操作を行い、右手でシフトレバーを操作します。
猛スピードで競い合うカーレースでは、左手は常にハンドルを握っている状態。
右手に時計を着けた方が、時間を確認しやすいのです。
前述した映画”栄光のル・マン”でも、スティーブ・マックイーンは右手にモナコを装着していました。
キャリバー 11
モナコにはキャリバーが二つあります。
左と右、リューズの位置でキャリバーが異なるのも、モナコの特徴の一つです。
右リューズ キャリバー12
左リューズ キャリバー11
一般的に、スペックの高いキャリバー12の方が人気の傾向がありますが、多少のスペックを犠牲にしてでも、こだわりを持ってキャリバー11を選ぶ方もいます。
もしかすると、その方はスティーブ・マックイーンのファンかもしれませんね。
まとめ
今回は、タグホイヤー モナコをご紹介しました。
モデル一つとっても歴史やストーリーがあり、知っていくうちに気づいたらファンになっていた、なんてこともあるのではないでしょうか。
私も、その1人です。
モナコのファンが更に増えることを願って。
また次回の記事をお楽しみに。