「耳鳴り+うつ」の状態の変化の中で、その時々に精神的に安らぎを与えてくれた音楽があった。 昨年の一番辛かった頃。 TRT的な効果を狙って、滝の音、森の音、水の流れの音に穏やかな電子ピアノ音を合成した音響を聴きながら、ベッドには入っていた。
「耳鳴り+うつ」の状態の変化の中で、その時々に精神的に安らぎを与えてくれた音楽があった。
昨年の一番辛かった頃。
TRT的な効果を狙って、滝の音、森の音、水の流れの音に穏やかな電子ピアノ音を合成した音響を聴きながら、ベッドには入っていた。
それでも、眠れない日が何日も続いたのを覚えている。
昨年のゴールデンウイークの頃。
好みのクラシック音楽を聴いて、気を紛らわせようとしたが、多くの音楽は、かえって気を重くした。
何回も繰り返し聴けたのは、モーリス・ラヴェルの「ボレロ」。
同じリズムが最初から最後まで延々と繰り返され、さらに二つのメロディーが繰り返されるという独特の音楽。 次第に音が大きくなっていくことから「世界一長いクレッシェンド」と言われている曲。
今から考えると、ボレロのクレッシェンドの音楽が、耳鳴りのマスカー治療と同様の効果だったのだろうと振り返る。
※マスカー治療とは、マスカー音を聴くことにより、いったん耳鳴を小さくする治療法。
初夏には。
爽やかな明るポピュラーなストリングスで気を紛らわせていた。
パーシー・フェイスと、フランク・プゥルセルだ。
パーシー・フェイスの ”夏の日の恋'76” は、何回聴いただろうか?軽快な音楽が心を安らいでくれた。
フランク・プゥルセルの "Morir de Amor" は忘れかけていたロマンチックな気持ちを思い出させてくれて、快い明るさを呼び戻してくれた。
”ミスター・ロンリー” の曲を耳に残して、夕暮れの散歩道で「遠い地平線がき消えて・・・」と、ジェットストリームの真似事をしながら、アナウンスウォキングもした。
9月頃には。
『モーツァルト療法』を試してみた。
モーツァルトの音楽は、心身をリラックスに導く副交感神経にスイッチが入り、交感神経の過剰な働きにブレーキがかかる状態になるという。
モーツアルトを、この頃は静かに聴ける程度の精神状態には戻ってきていた。
後日、耳鳴りのTRT効果には、「ベートーベン的な聞き入る旋律より、モーツアルトのスムーズに感じる曲が良い」というお話も専門の先生から伺った。
秋口には。
耳鳴りの苦痛度は減少傾向にはなってきたのですが。
落ち込んでいる時。
気持ちを明るくするために、よく聴いたシャンソン。
古い曲だけれど、なぜか落ち着く。
サルヴァートレ・アダモの ”Mes mains sur tes hanches (君の腰に手を)"。 日本では ”夢の中に君がいる” という曲名で、越路吹雪さんが歌っていた曲。
原文の訳を頭に浮かべ聴いていた。
そして今。
去年の春には、聴けなかったお気に入りのグスタフ・マーラーの曲が聴けるよになったのです。
昨年の私には ”あまりにも重すぎて” 1分も聴き続けられなかった。
のめり込み度が高いマーラの曲を聞き入れる精神状態ではなかったのです。
お正月、交響曲2番「復活」から聴き始め、多くを聴きました。
今、復活して聴けるようになりました。
耳鳴りの苦痛による精神のダメージによる1年。
今までにない音楽との関わりでしたが、気持ちをバックアップしてくれたのも音楽でした。
結構、古い曲ばかり。落ち着くのかな?
まだ、治っていないので。まだまだ音楽にご協力お願いしなくてはなりません。