20年前のマニアックなお話なのですが、結構な人数の多い方に読んでいただいてるようで、、、ありがとうございます。
今では、同じ作品が全く違う作品に見えたりするのでその印象の違いを不思議に感じます。


秋口になり、ネズミー社のミュージカルが、本格始動し始めました。

開幕日は11月24日。随分と寒さを感じる頃の開幕でしたが、仕込みはその約2ヶ月前から始まっています。まだまだ残暑の厳しい頃でした。

東京の赤坂にある劇場、、、Aミュージカル劇場での上演です。現在は、建物の隣にある放送会社の社名がついた劇場名に変わりましたね。当時はこの放送会社と劇団が共同運営しておりました。
開幕して半年程度後に、Bというライブシアターが隣に建ち、ちょっとしたトラブルもありました。


さてさて、この劇場は赤坂見附駅の近くにあります。番外編その1で書いたとおり、地下鉄毒ガス事件の際、私が強制的に電車を降ろされたあの駅です。ほんの何ヶ月か前の出来事なのに、まるで何もなかったように発展しているのが不思議なくらいで、でも私には複雑な感情を思い起こさせる駅でした。

ちょった離れたところには、大火事で焼けた“ホテルニュージャ◯ン”の残骸がまだ残っておりまして、子供の頃に観たニュースの映像をまざまざと思い出させてくれました。

赤坂というと、有名ホテルもあり(こちらは焼けておりません)華やかなイメージを持つ方の方が多いのかもしれません。しかし、バブル崩壊後に社会に出た私には、華やかさより虚栄を感じさせてくれた場所でした。

仕込み以前に、稽古は始まっております。夏前には、キャスティングのためのオーディションが団内と外部でそれぞれ行われ、出演候補者の名前が掲示板に貼り出されておりました。

主役はそれぞれ2人。ダブルキャストでスタートし、一方は1ヶ月後に開幕する大阪公演のファーストキャストになる予定でした。もちろんアンダーも居ります。
オーディションには、劇団とネズミー社それぞれから演出担当者が審査員として参加し、候補者達を絞り込んで行きました。
アメリカのスタッフのイメージと、日本人受けするキャスティングには差があるようで、かなりの議論があったと聞いています。(日本の演出家のお気に入りが、必ずしもネズミー社のお眼鏡に叶う訳ではないってことです)

公表されてはいませんが、外部からのオーディションには、宝◯歌劇団を退団された方がそこそこいらっしゃいましてね。舞台で食べるとなると、そういう作品を供給できる劇団や配給会社は、限られてるという事を証明しておりました。

宝◯繋がりでひとつ。
お茶を入れるポットの役があるのですが、この役の候補に初代オスカ◯の方の名前がありました。結局、スケジュールの都合により(ロングランは拘束期間が長いので、他の仕事を入れにくい)出演は叶いませんでしたが、私はかなり楽しみにしていました。
初演のポット役さんは、後に胸を患って早くに亡くなるのですが、今でもこの方のポット役は最高だったと思っております。(S村さんでした)この方も、お母様が宝◯出身と聞いております。縁があるのでしょうね。

このポット役のお子さんは男の子で、縁のかけたカップ役でしたが、劇団初の子役がミュージカルの舞台に立ちました。ネズミー社は、子供の役は本当に子供を採用します。
有名なのは、ウエン◯君でしょう。色が白くて本当に可愛いお子さんでした。劇団の近所にあるお弁当屋さんのお子さんも配役されました。お母様だけのご家庭なので、きっと頑張り屋さんだろうと見込まれての出演でした。
カップ役の子は、現地採用なので大阪でもオーディションがあったようです。残念ながら、私は会ったことはありません。

カップ役は、ポット役が押しているワゴンの中に、体が収まらなくなったら卒業です。育ち盛りのお子さんなので、半年程度で出演が終わるのも当たり前だったようです。

前振り長いですが、しばらくお付き合いくださいませ。
明日は、稽古場で見た色々を書こうかなと思います。

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