ヴェローナでの豪華な一夜 | Bella Italia

Bella Italia

食、オペラ、美術、歴史、映画、そして人。
魅力満載の国、イタリアを綴ります。

にほんブログ村 クラシックブログ オペラへ
にほんブログ村  一日1クリックお願いします。

第9回イタリアオペラツアー、7/1[土]ヴェローナ野外劇場"リゴレット"開演前のアレーナです。

 

毎年6月中旬から~8月末まで、2か月半、2万人を収容する野外劇場でオペラが上演されます。

地中海性気候で穏やかなイタリアは、梅雨がなく、この時期雨がほとんど降らないということが毎年この野外オペラ開催を可能にしていますが、ヴェルディ没後100年の1913年、ヴェローナ出身のテノール、ゼナテッロ(”蝶々夫人"初演を歌った)と、名指揮者トゥリオ.セラフィンが、メモリアルイアーにこの劇場で何かできないかと考えていたところ、予想以上の音響の良さだったので、"アイーダ"が上演され、以来毎年公演が行われてきました。

 

今年のシーズン開幕公演を前に、マッタレッラ大統領、メローニ首相臨席のもと、特別なイヴェントが行われました。

Youtubeで、"2024 Arena di Verona Italian Opera Festival Muti"で検索すると、コンサート全編出てきます。

 

タイトル通り、"イタリアン.オペラフェスティバル、ムーティ指揮"。

コンサート前半は、巨匠ムーティがオペラの序曲.前奏曲、合唱曲を指揮し、聴衆を前にdiscorso(演説)で語りかけます。

後半は、イヴァン.チャンパ指揮で、今をときめく歌手達が入れ替わりに登場し、イタリアオペラアリアの名曲を次々と披露するという豪華内容。

 

中でもやはり、ムーティ指揮の演奏が素晴らしく、オケの音の深み、表現の豊かさに聴き入ってしまいます。

discorsoもとても興味深く、一般的な批評家を批判し、"「オテッロ」や「アイーダ」のような作品はともかく、「アンナ.ボレーナ」や「愛の妙薬」のような作品だと、評論家はこぞってオーケストラの事は批評に書くが、歌のことに取り立てて触れようとしない、これはイタリアの文化遺産に対する大いなる侮辱である」と、批評家のオペラへの無知ぶりを痛烈に批判し、聴衆の温かい拍手を浴びます。

 

歌手陣もフローレス、カウフマン、メーリ、グリーゴロ、フェオーラ、ブッラット、サルシ、テジエ、シチリアと豪華。

トップダンサー、ロベルト.ボッレのバレエも入り、ヴェルディ、プッチーニ、ベッリーニ、ドニゼッティ、ジョルダーノ、ボーイト、マスカーニ、レオンカヴァッロ等、イタリアの名作曲家の名曲が並びます。

 

以下曲順です。

 

前半: ムーティ指揮

・イタリア国歌斉唱

・"第九"のテーマ

1. "ウイリアム.テル"序曲     ロッシーニ

2. "ノルマ"序曲                 ベッリーニ

3. 合唱曲"虐げられた祖国"  「マクベス」

4. 合唱曲 "行け、我が想いよ" 「ナブッコ」

5. "マノン.レスコー"間奏曲  プッチーニ

6. "メフィスト―フェレ"前奏曲と合唱 ボーイト

7. discorso (ムーティのお話)

 

後半、イヴァン.チャンパ指揮

8. "星は煌めき"  「トスカ」  カウフマン

9. 清らかな女神  「ノルマ」  プラット

10. バレエ "怒りの日" 「ヴェルディ.レクイエム」

11. "氷のような姫君の心も"  フェオーラ

12. "何でも屋の歌" 「セビリャ」 アライモ

13. ハミング.コーラス 「蝶々夫人」 ボッレ

14. "冷たき手を"  「ボエーム」  フローレス

15. "テ.デウム"   「トスカ」  サルシ

16. "おお幾たびか" 「カプレーティ」 シチリア

17. "悪魔め鬼め"  「リゴレット」  サルシ

18. "凱旋の場"  「アイーダ」 バレエ

19. "ムゼッタのワルツ"  「ボエーム」 グリゴリアン

20. "衣装をつけろ"  「道化師」ジャッジ

21. "私の愛しいお父さん"    シチリア

22. "ジプシーの歌"  「カルメン」 アクメトチナ

23. "外套の歌"  「ボエーム」  ブッラート

24. 間奏曲 「カヴァレリア」  ボッレ

25. "見よ、恐ろしい火を"   サラス

26. "人知れぬ涙"  「愛の妙薬」  メーリ

27. "ある晴れた日に"  「蝶々夫人」 ブッラット

28. "祖国の敵"  「シェニエ」  テジエ

29. "女心の歌"   「リゴレット」フローレス

30. "誰も寝てはならぬ"   グリーゴロ

 

個人的には2曲披露したフローレス、リュウの情感を歌ったフェオーラ、カウフマンのカヴァラドッシが特に良かったと思いましたが、ご興味ございましたら、ご覧になられてみて下さい。