-遂行者- | 仮面の下は暗闇。

仮面の下は暗闇。

理解はいらない。

見上げる夜空には
叢雲に隠れる淡い月
暗闇に点滅する紅い煙が
この星の命の狼煙を上げた
眠っていた者たちを呼び起こし
閃光を放っては道を指し示した

この世の終わりと誰もが嘆く
祈りを捧げても救いは来ない
闇夜に乗じて魑魅魍魎は蠢く
切り取られた翼を持ったまま私は
ただ冷めた目で行く末を見るだけ

彼らが呼び寄せたのなら
私は動かない
誰かのシナリオだというのなら
私は従うだけ


生まれ落ちた意味など
誰もが知らぬまま消えてゆく
考えたところで答えは堂々巡り
生き方も千差万別
考え方も多種多様
それでも人は結託しては排除する

造られた道標など
次の瞬間には砂に戻る
心に蓋をされた想いが
この動乱の中で
少しずつ開いてしまうだろう

彼らが願っていたのなら
私は動かない
誰かの思惑だというのなら
私は従うだけ


黒にも白にも色が変わる翼の傷口
再び生え変わるのは
純白の羽根か
漆黒の翅か


彼らが呼び寄せたのが天使なら
私は羽ばたく
誰かのシナリオだというのなら
私は従うだけ
少なくとも私には意思はない
ただ静かに見守り
宿命を全うするだけの存在