仮面の下は暗闇。

仮面の下は暗闇。

理解はいらない。

行き交う人の中に身を置いて
孤独を紛らわせてみた
誰一人 立ち止まる者はいなくて
誰もが目的地へと急ぎ歩く
まるで僕の姿が見えていないように
通り過ぎる 通り過ぎる

空は次第に暗くなり
ポツポツと雨が落ちてきた
少し冷たい雫に濡れて
僕は呟いた

どこに居ても付き纏う寂しさ
だから人は誰かを探し求める
幾つも張り巡らされた糸は
どこかの誰かと繋がって
共に笑い 共に泣く
逸れ者の姿は見えはしない


手当り次第に声をかけてみる
そんなやり方じゃ奇異の目で見られるだけ
うまく掴めない距離感に
とうとう僕は疲れ始める
蹲り 冷えた体を抱きしめて
目を閉じる 目を閉じる

雨脚少しずつ強くなり
何もかもかき消し始めた
ずぶ濡れになって
僕は呟いた

どこに居ても付き纏う虚しさ
だから人は居場所を探し求める
幾つも張り巡らされた糸は
どこかの誰かと繋がって
共に抱き合い 共に愛し合う
逸れ者の姿は見えはしない


目一杯叫んでも
届くことのない僕の声
目の前の人に触れても
届くことのない僕の感触
解っていたんだ 解りたくないだけ
僕はずっとここで独りきりなんだと


どこに居ても付き纏う切なさ
だから人は誰かを探し求める
幾つも張り巡らされた糸は
どこかの誰かと繋がって
共に笑い 共に泣く
この世からの逸れ者の姿は
見えはしない