時事通信によれば、与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)」は19日、中央委員会を開き、軍の監視下に置かれているムガベ大統領の党首解任を決め、20日には弾劾手続きに入り、21日に大統領自身が辞意を表明、ムガベ政権は終了となりました。

 

ジンバブエのクーデターの背後に中共の影が…(;¬_¬)

15日の耿爽・副報道局長の記者会見でクーデターを起こした中心人物のジンバブエのチウェンガ国軍司令官が事件前に訪中していたことについて「通常の軍事交流アル」と述べ、中共側に「クーデター計画」を伝えたか?との質問に対しては「国防省が対応したため具体的な状況は把握していないアル」として答えませんでしたが、実はクーデターを事前承諾していた?

 

■日本のメディアはジンバブエ政変になにほどの関心もないらしい。

 西側メディアは大きく報じているが、なかでも英国は旧植民地(昔のローデシア)だったから、近年、「中国の新植民地」と言われるジンバブエに関しては特大の関心事、大きく報道している。

なぜなら白人の農地をムガベは採り上げ、白人農民を殆ど国外に追放したからである。

 

この政変劇は、よくよく考えると事前に周到に計画され、北京の内諾を得た、一種の宮廷劇である。

主目的はムガベ夫人グレースの失脚にあった。

なぜなら政権移行チームはマナンガグワ前副大統領とグベヤ・チウェンガ国防相が入念なシナリオを描き、ムガベ大統領は殺害せずに自宅幽閉としているからである。

 

あたかも毛沢東死後、女帝になろうとした江青夫人ら四人組を失脚させた中国の政変とそっくり。

しかしジンバブエはムガベの死去を待たずに敢行した。

それほどグレース夫人(正式には第一夫人)に対しての周辺の不満が昂じていたわけで、庶民のための政変でもなければ野党が望むような民主化のためのクーデタでもなかったのだ。

 

 政変劇直前に密かに北京入りした上記ふたりは中国人民解放軍の内諾を得るためだった。  クーデターを事前承諾したのは常万全(国防部長)と李作成(参謀部長)だった。

 

 政変後、西側メディアより早く、「格雷糸(グレース)は「津巴布衛版江青」(ジンバブエの江青)」と中国メディアは報じており、事前に情報をキャッチしていたことが分かる。

(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」2017年11/17弐 通巻第5507号) 

 

アフリカに関しては、中共と共に北朝鮮もかなり深く入り込んでいるようです

中共やロシアが後ろ盾になり、仕事作っては与えてる、というのが実態なんでしょうが…( ̄。 ̄;)

 

「彼らのこと? よく知っているよ。一緒に働いていたんだから」。

 

ナミビアの首都ウィントフーク郊外の酒場に現れた30代の地元男性が口を開いた。

男性のスマートフォン画面には、鉄骨を組むブルーの作業着姿の北朝鮮労働者が映る。

約50人が住み込みで国防省本部の建設に関わっていた。

「キム・トンチョルが連れてきた作業員たちだ。皆宿舎で野菜をソースで赤くした料理を食べていた」。キムチのことらしい。 

キム・トンチョル氏(49)とは、北朝鮮の建設会社「万寿台(マンスデ)海外開発会社」の現地代表と名指しされる人物。

 

国連安全保障理事会の専門家パネルは昨年2月、万寿台がナミビアで軍事施設などの建設に関与し「制裁破り」に当たると指摘。

これを受けてナミビア政府は昨年6月、北朝鮮企業の操業禁止を発表した。 

男性らに伴われ建設現場がある軍基地内に入った。

外観はできているが内装はこれからだ。「北朝鮮作業員が帰国したため4月から工事は中断している」。

事実なら、操業禁止発表以降少なくとも約10カ月は工事が続いていたことになる。 

からくりはこうだ。米財務省によると、操業禁止の発表後、万寿台が受注していた四つの工事は中国系企業「青島建設」に作業員ごと引き継がれた。

キム氏は青島建設の役員でもあり、制裁回避のための隠れみのだった疑いがある。 

日米両政府は8月下旬、万寿台や青島、キム氏を新たに制裁リストに加えた。

9月初旬に北朝鮮が6度目の核実験を実施し国際社会の圧力が高まる中、ナミビア政府は改めて北朝鮮企業との契約破棄を表明。

9月下旬には、ウィントフークの万寿台事務所はもぬけの殻で、警備員は「2週間前に出て行った」と言った。 

ナミビア軍関係者によると、大半の北朝鮮労働者は出国したが一部は残り、取材段階では工事代金の精算などに従事していた。

複数の関係者は工事で用いた重機が競売にかけられていると証言した。

ナンディヌダイトワ副首相は毎日新聞に「現在国内に北朝鮮労働者はいない」と答えたが、帰国時期は明らかにしなかった。

地元記者は、ナミビアと北朝鮮の長年の親密な関係に言及し「建設工事などが途絶えても、別の形で取引が続く可能性がある」と疑念を示した。

(毎日新聞2017年11/19抜粋)

 

北朝鮮はアフリカ諸国を外貨稼ぎの場所にしており、毎日新聞によれば、ナミビアの首都ウィントフークの独立記念博物館の前に、独立運動を率いた「建国の父」ヌジョマ初代大統領の巨大な像が建っているそうですが、北朝鮮の美術制作会社「万寿台(マンスデ)創作社」によるものとか。

2010年に完成したセネガルの首都ダカールに建つ像も北朝鮮が請け負ったようです。

国連の専門家パネルが3月に公表した報告書では、北朝鮮が少なくともアフリカ15カ国に指導者の銅像や記念碑などを輸出・建設。

 

1960年代以降、北朝鮮が軍事訓練をナミビアに施した事もあり、友好的な扱いをされ、他にもアンゴラやウガンダ、コンゴ民主共和国で大統領警護隊などに軍事訓練を指導し、コンゴには小火器も供給。

タンザニアでも地対空ミサイルや防空システムの整備などに関わっていた疑いがある、ということですし、ウガンダのムセベニ大統領は9月の国連総会で「過去に戦車部隊の設立を支援してくれた」と北朝鮮への謝意を表明する演説を行い北朝鮮擁護とも取れる発言をしていたようです。

 

アフリカ各国では北朝鮮への制裁破りが横行、英NGO「検証研究・訓練・情報センター」のノエル・ストット上級研究員によれば、北朝鮮が国連の制裁に対抗するためアフリカとの経済協力を強化してきた、と指摘しています。

 

17日には北朝鮮に中共から特使が訪問、という報道がありました。

メンツを重んじる中共としては、トランプ大統領訪中後に訪朝、米国に言われて行ったと見られる上に、結果を期待されているわけですから、本来カリアゲ君を呼びつけたいところでしょう、宗主国としては不愉快かもしれませんね。

側近と会談したということですが、カリアゲ君と会談したかは公表されていません。

■平壌(ピョンヤン)に到着した、中国共産党外交部門トップの宋濤中央対外連絡部部長は、金委員長の側近・崔竜海(チェ・リョンヘ)労働党副委員長と会談した。

会談の内容は明らかにされていないが、核・ミサイル開発問題などについても、話し合われたとみられる。

中朝関係が冷え込む中、中国高官の訪朝は、2016年10月以来で、習政権2期目の発足後は、初めてとなる。

(FNN2017年11/18抜粋)

 

北朝鮮は、2カ月以上口撃はするけど実質的な挑発はせずにいましたが、対話は拒否ニダ、という具合になってるようで、中共は責任を負わされたくなかったようです。

 

中国官製メディアは18日、「(特使は)魔術師ではない」との社説を掲載、成果を出せなかったときに備えて予防線を張り始めた。 

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は同日、習近平総書記の特使である党中央対外連絡部の宋濤部長訪朝のニュースを1面で特集。

北朝鮮が(1)約2カ月にわたり軍事的挑発を自制している(2)中国の高位級特使派遣を受け入れた-ことなどから、米国や欧州、日本、韓国のメディアが特使訪朝に注目している状況を詳しく報じた。 

実際、トランプ米大統領も16日のツイッターで、習氏の特使訪朝について「大きな動きだ。何が起きるか注目しよう」と指摘。

トランプ氏が北朝鮮をテロ支援国家に再指定するか否かの判断を先延ばししたのも、特使の成果を見極めるためとの見方も出ている。

 

しかし、中国当局は今回の特使派遣について「党大会の状況を報告することが主要な目的。

社会主義国の政党間で長年続けてきた慣習だ」(耿爽・外務省報道官)としている復旦大学の鄭継永韓国・北朝鮮研究センター所長は英字紙、グローバル・タイムズに対し「核問題で北朝鮮に実質的な変化を期待するのは非現実的だ。たった1回の会談で、何年にもわたって蓄積された全ての問題を解決することなどできない」とコメントした。 

18日付の環球時報も「宋濤氏の訪朝に過度の期待を抱くべきではない」との見出しの社説を掲載。

宋濤氏は魔術師ではない。朝鮮半島情勢が緩和するか否かのカギは米朝の掌中にあると主張しあくまでも北朝鮮問題を解決する責任は中国側にはない-との立場を重ねて強調している。

(産経新聞 2017年11/19)  

 

無慈悲な菅官房長官は20日午前の記者会見で、「第3国間のやり取りに関し、政府としてコメントすべきではないが、いずれにせよ、北朝鮮への対応にあたっては、6者会合の議長国で、北朝鮮の貿易額の9割を占める中国の役割が極めて重要だ。北朝鮮の政策を変更させるうえで、中国が責任ある建設的な役割を果たすことを期待している」と述べています。

 

日本に来ていた元大統領補佐官のバノン氏も、中共と北朝鮮の関係性について良く分かっていたようですし( ̄∇ ̄)

 

結果的に中共は北朝鮮訪問で成果無しだったんでしょう。

米国は北朝鮮をテロ支援国家に指定すると発表。

 

トランプ米大統領は20日、閣議の冒頭で、北朝鮮をテロ支援国家に再指定すると発表した。

 

2008年に指定解除して以来9年ぶり。

トランプ政権は核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮に「最大限の圧力」をかける戦略で、今回の再指定もその一環。

大規模な追加制裁を実施することも明らかにした。

北朝鮮の反発は必至で、米朝間の緊張が一段と高まる可能性がある。

国務省によると、指定は20日付。

 

ティラーソン国務長官は記者会見で、再指定の理由として、2月に金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がクアラルンプールの空港で殺害されたことを念頭に「禁止された化学兵器を使った北朝鮮国外での暗殺」を挙げた。

事件では猛毒の神経剤VXが使用された。トランプ氏は再指定について、北朝鮮の孤立化に向け「最大限の圧力をかけるわれわれの取り組みを後押しするものだ」と強調した。

 

 トランプ氏は追加制裁に関し、財務省が21日に発表するのをはじめ、向こう2週間のうちに具体的な措置を順次打ち出す方針を示し、「最高レベルの制裁となる」と強調した。(時事通信2017年11/21)

 

保護者の中露にはもちろん、実は金づるになっている日本自身にも、まとめて経済制裁かけるとかなり効きそう。

(´・ω・`)

中共の外務省は米国のテロ支援国家指定を支持しない姿勢を示し、さらに日本と台湾に嫌がらせを強化中です。

 

11/17のRecord Chinaでは、参加11カ国でTPPを大筋合意しましたが、中共側メディアが日本批判。

 

「本来米日が主導する、中共を排除する地政学的意図が明らかな環太平洋貿易協定だったアル」と前置きした上で「米国抜きのTPPは背骨を抜かれたようなものアル」「日本はまだTPPという夢から完全に覚めていないが、中共は共にこの空想を温め、浸りきる必要はないアル」「日本は中共の台頭をめぐり、もう長く策を弄しているが、振り返てみるとこれは力の浪費であり、短期的な目標も水の泡となっている。数年前と比べると、日本と中共の差はさらに広がっているアルヨ」「安倍政権は最近、対中関係改善の意向を示しており、中日首脳のAPECにおける会談の雰囲気がより前向きになったアル。この広く注目される動向が今後も維持されることを願うアルネ」といいつつ「日本は台頭する中共への態度を調整し、健全な心理で対中関係を再構築するべきアル」とまとめていました。 

 

なぜこっちが態度を調整しなければならないのか、と・・・( ̄▽ ̄)

米国抜きにはなりましたが、TPPをやって欲しくないようですね。

中共が嫌がるなら、台湾を加えて更に話を進めたら良さそう。(*´∀`)

19日には中共軍の情報収集機とH6爆撃機4機を含む6機が沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡の公海上空を飛行、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したと防衛省が発表しました。領空侵犯はなかったという事です。

 

11/18に情報収集機1機が海峡を通過、再び中共の動きが活発化する可能性が高まっています。

 

台湾の国防部(国防省)でも19日、中共のTu154情報収集機が18日午前に、宮古海峡の上空を経て北から南へ飛行したと発表しました。

 

近年、中共の軍用機による宮古海峡を通過しての演習が常態化しており、情報収集機のほか、主力戦闘機のスホイ30や爆撃機「轟6」の演習参加も確認されていると、中央フォーカス台湾が11/19に報道しています。

 

台湾の動向や日米のフィリピン海での共同演習も気になって仕方ないんでしょうね。

 

21日には、日米中と東南アジア諸国連合(ASEAN)など計18カ国の首脳らが参加し、マニラで14日に開かれた東アジアサミット(EAS)の議長声明が発表され、南シナ海問題では、昨年から引き続き「懸念」の文言が維持されました。

 

16日に発表されたASEAN首脳会議の議長声明では「懸念」の文言を消し中共に配慮しましたが、議長国のフィリピンが「懸念」を残し、空白だった南シナ海の項目を問題継続の形にしたようです。

 

そして、北朝鮮問題にロシアが動き出した?

シリア問題では、20日にソチでアサド大統領とプーチン大統領で首脳会談を行っています。

 

さらに20日には、モルグロフ外務次官が26日に韓国を訪問することがロシア外務省から明らかにされ、ソウルで開催されるロシア関連行事に出席するほか、韓国外交部の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長と会談する予定ということで、半島問題にロシアが出て来た?。

 

モルグロフ氏は9月と10月にロシアを訪問した北朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)北米局長と面会しており、韓国側に北朝鮮情勢などを伝えるとも。

北がロシア側に近いとすれば、韓国の迷走がますますわけの分からな方向に行きそうですね・・・

(´・ω・`)