2024年2月26日(月)

今日は亡き母の誕生日。

 


生きていたら74歳。

 亡くなって24年。

 

 

亡くなった人の姿は、

生きている人が覚えている分、

思い出す分だけ、

あちらの世界でも

姿をとどめていることができる

という。

 

 

 

他にも、

生きていた時、生物として

もっとも美しく

生き生きとしている年代の姿で

いると聞いたことがある。

 

 

 

私はこういう話が好きなので

抵抗もなく自然に

そういうものなんだろうなと

思ったりしている。

 

 

 

母上は幸せに暮らしているかな。

今日は私がお祝いをいたします。

 


ちなみに父は今日について、

私の期待を超えない

想定内の反応だった。

 

 

父:

桃華は血が繋がっているから、

忘れられないだろうね。


でもお父さんは違うんだよなぁ。

なんかやっぱり自然に、

もう違う人なんだよなぁ。


でも毎日

供養はしているんだよ。

 

 

 


 

過去には、

このように言う父上に

なんと愛のないことかと

腹の底から凄まじい怒りを抱いた私も

今は穏やか。

 

 

 

血のつながりは水より濃ゆき母と私とは違い

 

父と母は他人で、他人とはそんなものでもあり

 

父の場合は今や、

結婚した時の愛情は幻となっていて

しかし今も毎朝毎晩

冥福を祈る日課をかかさない。

 


私は血の中に組み込まれているから

生きている限りずっとそうだけど

 

 

父上が祈るたび

母上もまた存在し続ける。



この世でも、彼方でも。

 


なので、父上も

充分あたたかいことかな

と、今は思う。

 

 

 

 

母の位牌の名前の最後は

 

"白雪大姉"

 

と書いてあって

 

 

その戒名には

お母さん側のお家の人たちも

後から知った私も

心から頷くのだった。

 

 

雪のような肌の白さ



若いうちから精神を病み

現実の世界に苦しみ続け

想像もしない旅立ちで終えた人生は

儚く消える雪の結晶のようでもあった

 

 

一方で、頑固なまでの芯の強さは

豪雪地帯の人らしさに溢れていた


もしかして、

女子からはあまり好かれないタイプ

だったかもしれない。

現に伯母上は、母のことを

大嫌いだった、と言ったし不安

 

 








深々(しんしん)と降り積もる雪

 


光も時も音も

雪に吸われて



この世の終わりかとおもう様もあれば

 

晴れれば異次元の白銀世界

 

目を開けていられないほど輝く光景

 

 

そんな圧倒的な清浄さも


春先になれば黄砂を被り


見るに耐えないほど汚らしくもなる

 

 

しかし山に降り積もった雪が溶け


豊かな水源となって山川を潤し


豊かな実りを地にもたらす

 

 

 

水が形を変えた雪


水よりも厳しく


冷たく


儚くて


美しい雪

 

 

 

そのお名前が

母上にぴったりな気がする

 




 




3月3日に亡くなった母


新潟ではまだ雪が残る季節


東京では梅が薫る



春に旅立ちたいという人は多い


でもいつの季節も美しい