今回は『子どもの将来を考える』という特集です。
まだお子さんが小さい場合、将来と言われてもピンとこないかも知れません。
実際のところ、「毎日が精いっぱいで、そんな先のことまで考えられない」というのが本音なのだと思います。
とは言え、誰にでも将来は必ずやってきます。
しかも、子どもの将来の姿は、今現在の積み重ねで作られるとも言えます。
幼少期から始まり、少年期、思春期をいかに過ごしたか、その間にどのような力を身につけられたか…。
それが将来に密接につながることは言うまでもありません。
私たちはこれまで、いろいろなタイプの子どもとかかわってきました。
中には、小学生の頃に問題行動ばかり起こし、一時期は支援学級に在籍。
その後、通常学級に戻り、高校、大学へと進み、一般企業に就職したケースも見られます。
実は、子どもの頃、多少やんちゃだった子が、やがて落ち着くようになると、大きく成長するというケースが少なくないのです。
それはおそらく、やんちゃさが持っているエネルギーがきちんと正しい方向に向かうようになったからだと考えられます。
そのために、周りの大人がそのやんちゃさに寄り添い、否定することなく上手にかかわってきたという背景があるのでしょう。
よくないことには毅然と対応し、細かいことはガミガミ言わず、日々大らかに受け止めることで、子どもは持っているエネルギーを最大限に発揮するようになるのです。
将来のためには、他にもやるべきことがあります。
それは、本人ができることは手伝わないということです。
「甘やかし」と「支える」は大きく違います。
何でも手伝ってしまっては、その子の可能性を摘み取ってしまうことになります。
健全に育っている子どもを見ると、小さいときから家の手伝いを積極的に行ったという事実が多く見られます。
テーブル拭きやおもちゃの片付け、配膳、食器洗い、簡単な料理、洗濯物干し・たたみ、お風呂掃除、ゴミ出しなど、家の中にはやることがたくさんあります。
手伝いを日常的に行っている子どもは、大きくなって人から何かを頼まれても自然に体が動くようになります。
頭で考えるよりも体が先に動くのです。
このフットワークのよさは、やがてアルバイトや将来の仕事に確実に結びついていきます。
もう1つ、将来にとって大切なことは、対人コミュニケーションの力が育つことです。
どんなに勉強ができても、対人関係の力が育っていなければ、職場に入ってから大変な思いをすることになるでしょう。
最近ではよく、一流大学を出ても対人関係でつまずいてしまう人のケースがよく話題になります。
どんな環境においても、仕事は1人でやるものではなく、人とのやりとりの中で行うことが基本となるのです。
もちろん、コミュニケーションが苦手な子どもに、ただ「高めよう」と言ってもそれは無理があるでしょう。
だからと言って、何もしないわけにはいきません。
苦手なら、苦手なりに最低限のコミュニケーション力を身につけていけばよいのです。
そのために、まず身近な人に対し関心を持つところからスタートするとよいでしょう。
例えば、久しぶりに会った人に、「最近は何をしていたの?」と話を振ります。
そして、相手から話を聞いた後に、「自分は秩父鉄道の上長瀞と親鼻駅の間にある荒川橋梁に行って、写真をたくさん撮ってきた」などと話せばよいのです。
多少マニアックでも、「聞いてから話す」というやりとりを続けることはとても大切なことです。
慣れるまでは、大人が仲介役となり、話題を提供していくことも必要でしょう。
ビリーブには社会人が数人います。
幼少期の頃から通ってくれている彼らに共通するところは、身だしなみがきちんとしていること、情緒的に安定していること、フットワークがいいこと、人を信頼し相手に何かを伝えたいという気持ちを持っていること、などが挙げられます。
そういうところは、大人になって付け焼刃的に身につくものではなく、幼少期からじわじわと育っていくのだと思います。
1人でも多くの子が、生き生きと働く彼らのように育ってくれることを心から願っています。
7月もよろしくお願いいたします。
【発達支援教室 ビリーブ】
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