子育てには「これだ」という正解はありません。
よく、大学受験の合格体験記で「これをやったら合格しました」というものがありますが、それは、その人にとってよかったということであり、誰にでも通用するものではありません。
学習レベルや得意、不得意、集中力、情緒の安定、体力、家庭環境などが違えば、同じことをやっても当然結果は違ってくるはずです。
なかなか難しいですね。
では、子育てがうまくいくにはどうすればよいのか。ここで2つのエピソードを紹介しましょう。
【エピソード1】就労支援事業所に通う女性
Aさんは就労支援事業所(B型)に通う25歳の女性です。
小さい頃から勉強ができ、成績は常にクラスの上位。
ただし、マイペースが強く、人の気持ちがよくわからないため、時々クラスでトラブルを起こしていました。
それでも何とか小中高と進み、大学はゲームが学べるコースに進学。
前途洋々の道を進んでいました。
ところが、入学してすぐに周りの人のペースについていけず、先生ともうまくいかず、だんだんと意欲が低下していきました。
結局、2年生で大学を中退し、しばらくは家の中でもイライラしたりパニックを起こしたりしましたが、やっとゲームを主体としたB型事業所に落ち着いたということです(そこも時々休んでいます)。
ここで問題となるのはAさんの親子関係です。
両親は高学歴で、幼いころからAさんに人並み以上になって欲しいと願っていました。
何かができないとすぐに手伝い、Aさんが失敗しないよう、どんどんサポートを先取りするようになり、それは高校、大学まで続いたのです。
そのサポートは多岐に渡り、それこそ髪型から服装まで…。
それを、Aさんは何の疑問も持たず、受け入れていたのです。
しかし、大学生活がうまくいかなくなると、親子関係は一変します。
Aさんは、親が自分のために何でもするのは当たり前と考えるようになり、自分がうまくいかないのはすべて親のせいだと主張するようになりました。
事業所では、ゲームに触れられるのでそれなりに参加していますが、工賃が発生する作業には消極的で、休み休みの参加となっています。
【エピソード2】不登校の小学生男児
Bさんは小学5年生の不登校児です。
3年生までは毎日登校していましたが、4年生になってからは全く通っていません。
就学時に、特別支援学級を勧められたこともあり、両親は幼いころからBさんに積極的に勉強させていました。
学校に入ってから困らないようにと、文字や数など、いろいろなワークをさせ、Bさんは他の子が遊んでいる時間もせっせと課題をこなしていたのです。
それは、小学校に入ってからも続きました。
それでも、Bさんは学校の勉強や集団活動についていけず、やがて毎日させられていることに疲れてしまいました。
そして、エネルギーが枯渇したように、4年生になったばかりで学校に行けなくなってしまったのです。
今も毎日家で、やる気のない日々を過ごしています。
いかがでしょうか。
どちらのケースも、親御さんが頑張る気持ちは痛い程よくわかります。
しかし、そのことが大きなネックとなっているのです。
エピソードから、子どもに対し、必要以上に手伝ったり、闇雲に勉強させることは、決してよい結果につながらないことが伺われます。
どちらも、「情緒的に不安定」という二次障害が生じてしまい、安定した毎日を過ごせなくなってしまっています。
もし、学習をさせるのであれば、まずはその子に合ったことをしなければなりません。
しかも、興味が持てるようにアレンジし、適量(できれば少し足りないくらい)だけ提供するようにします。
そしてサポートは、こちらから先に行うのではなく、本人がSОSを出したときに最低限行えばよく、しかも年齢と共に減らしていかなければなりません。
そうしなかったことで、AさんもBさんも、自分がどうやって生きていけばよいのかよくわからなくなり、混乱してしまいました。
私たちは、子どもを何とかしてやろうと大人の発想を押しつけるのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら、大人自身がリラックスした姿、肩の力を抜いた姿を見せながら、適量のサポートを行っていくことが大切になってくるのです。
10月もよろしくお願いいたします。
【発達支援教室 ビリーブ】
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