- 蛟堂報復録〈1〉 (アルファポリス文庫)/鈴木 麻純
- ¥630
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いつもコメントを頂く藤丸さんがこの本を読みますと書いていた・・
で、イラストも美しいですが、ブログの文章が面白いので、そういう方が読む本ってすごく気になる!!
で、速攻取り寄せてみた(ほとんどストーカー・・・)
内容ですが、現代の陰陽師が莫大な報酬と引きかえに怨みをはらしてくれるというもの。
地獄少女や必殺仕事人みたいな感じである(って、たとえがどっちもパチンコ台ww)
ただ、この本の面白いところは
”本”にまつわる報復方法だ!
この本には3つの話が収録されているが、
一つ目は「清姫」 これは安珍清姫の物語になぞられている・・・ことになっている・・と、言うのも
普通にこの作品を読むと、じゃっかんのズレを感じてしまった。
結婚詐欺に引っかかった女がその報復を依頼する。
報復方法はヘビと化した清姫が詐欺師を追い詰め・・・であるが、
本来の安珍清姫は
激イケメン僧侶の安珍が熊野に参詣に向かう途中借りた宿の娘、清姫が安珍に一目ぼれ
夜這いを描けるが、安珍に拒否られ超~!!落ち込む。
そんな清姫がかわいそうに思った、安珍が、
「それなら、熊野帰りに寄ってあげる♡」と、言って去って行った。
清姫は、安珍様~♡ってな感じで待っていたが、
待てど暮らせど、愛しの安珍は戻ってこない、
実は、安珍、超まじめな僧侶の為、女犯を犯す気がサラサラないため、
清姫を無視して、さっさと奥州に戻ってしまう。
それに気づいた、清姫は、裏切られたと安珍を追いかけるうちに
姿が蛇の姿になり、ようやく安珍の姿をとらえる
驚いた安珍は、寺の梵鐘の中に隠れるが、
その梵鐘に蛇と化した清姫がまきつき火を吐きまくる!!
梵鐘は真っ黒に焼け、中からは炭と化したあわれな安珍のなれの果てが・・・
普通に読めば、
安珍は”善”で、異常な執着を見せる清姫こそ今でいう、ストーカー的で猟奇的だ。
なので、この時点では
この蛟堂報復録の話とはちょっとずれているような感じがした、
なぜなら、
詐欺師は”悪”、だまされた女は”善”となる
話はちょっと変わるが、
子供の頃(小学校低学年くらい)、体が弱かった私は母親が入院するということがあったときに
祖母の家に預けられることになった。(これが、ハンパないくらい田舎で何ヘクタールという畑の真ん中に家がある)
この祖母の家が、いろんなものがいるところで(鎧武者とか手しか見えない人とか)
さらに猫も十数匹、そして祖母自体がめっちゃ変わり者だった。
その祖母が、小学生の私にくれてなおかつ読み聞かせてくれたのが
「道成寺」という絵巻(本当に絵巻で全部ひらくと1mくらいで、
上記に記した、安珍清姫の物語が絵と共に描かれたものだ。
清姫が徐々に蛇に変化して、安珍を焼き殺し、焼けた死体が描かれていた。
はっきり言って
今でもトラウマになるほど、その絵巻はすざましかった!!
で、子供の頃は裏切られた清姫はきっとかわいそうなんだ・・と、思った
しばらくたって、誰かを”好き”という気持ちがわかると
やっぱり、清姫がかわいそうと思う・・
======ココからは私の妄想です、本来の話とは違います。============
ところが、いい加減、年をとってくると、
そんな超イケメンなら、清姫ならずとも他にもいろいろ言い寄ってくる女がたくさんいたんじゃないかと、
さらに、そんな口約束だけで、ここまで安珍を追いかけまわすのも変じゃないだろうか?
と、すっかり汚れた大人となった私は思うのですよ、
安珍は戻ったら結婚しましょう、だから旅費を出してちょうだいってことはないだろうか?って、
もしくは、本当は食っちゃったんじゃないの?って
そうなると、今回の報復と合致するんじゃないかと・・・
話はずれましたが、
物語になぞらえて報復をしていきます(いきなり本文に戻るww)
さらに、不良少年をその妹が呪う「ピノッキオ」こちらはコピーロボット的な感じだった。
最後は、貢ぐ君の報復「赫夜姫」(がくやひめ)
私は、このかぐやひめはウマい!って思いました。
面白い本を教えていただきありがとうございましたw
ところで、
おばあちゃんの家ですが・・
もし興味がおありの方は
2007年が最後の更新でそのまま放置し、ネットの海をただよっている私の古いHPに詳しく書いてあります。
さらに、そこに挿絵としていれてあるイラストは
ペンタブという存在も知らず、マウスでチコチコ描いていたものでかなり微妙ですが・・・
よかったらどうぞ