偉人はかく騙りき | 桂米紫のブログ

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米朝一門の落語家、四代目桂米紫(かつらべいし)の、独り言であります。

人間誰しも、自分というフィルターを通してしか世の中を見られないものだし、自分の都合のいいように物事を解釈してしまうのは、ある程度仕方のないことだと思います。


ただそれが「文書」として記録され、真実が歪められたまま後世に残されていくことは、甚だ由々しき事態と言わざるを得ません。


まぁしかしそのように歴史というものは、力を持つ者の“大きな声”によって、いかようにも改竄されてゆくものなのかもしれません。


そう考えると「主観で語られた歴史」に、どれ程の真実が含まれておりましょう。

笑い話として盛られた、噺家が語る馬鹿馬鹿しいマクラと、何の違いがありましょう。


かくして本人にとって都合の悪い言葉の数々は美辞麗句にすり替わり、エゴイストは偉大なる善人として、後世に語り継がれてゆくのです。