職業病 | 桂米紫のブログ

桂米紫のブログ

米朝一門の落語家、四代目桂米紫(かつらべいし)の、独り言であります。

その昔映画監督を目指していた頃、映画の養成所で著名な編集の先生がおっしゃってた事がとても印象的で、いまだに心に残っています。

その先生曰く「長年映画の編集をしていると、実生活も編集されたように体感してくるようになる。例えば新幹線で東京に向かう時など、京都駅で新幹線のチケットを買う自分→新幹線に乗っている自分→東京駅の改札を出る自分…という風に、まるで編集された映像のように感じる」と。

凄い話だなと思いましたが、確かに僕らも日々落語をやってると、普段でも知らず知らずのうちに頭の中で“人物A”と“人物B”が、会話をおっ始めてしまう時があります。
頭の中に声の主がたくさん居て、そいつらが隙あらばなんか喋ろうと機会を伺っている感じ。
いつかそいつらに思考を乗っ取られてしまうんじゃないかと思うと、心配で心配で…。


いやいや、何を言うてんねん。そんなアホな事ある訳ないやないか。


けど、本当なんです。だって現に今も…。


…とまぁ、こんな感じですわ。