昨日まで繁昌亭昼席の出番で、水曜と土曜以外は、ざこば師匠とご一緒でした。
僕がこの世界に入らせて戴いた頃は、まだかなりトンがっておられ、怒ると本当に恐いお師匠さんでしたが…そんなざこば師匠も、今年七十歳。
ここのところ、すっかり丸く、お優しくなられました。
いえ、もちろん前から優しいお師匠さんでしたよ!
でも、お孫さんがお出来になられてから、その“優しさ”が益々まろやかに、まるで熟成されたかのようなのです。
その“熟成された優しさ”が高座にも滲み出ておられて、我が大師匠の事を絶賛するのは変かも知れませんが…ざこば師匠の高座は、袖で聴かせて戴いてても、何だか涙が出てくるのです。
ところで繁昌亭には「輪茶輪茶庵」という待合所がございまして、そこにその日の出演者の、チェキ写真入り直筆コメントが掲示されております。
ざこば師匠、どんな一言を書いてらっしゃるんやろう…と読ませてもらって、そのコメントにも何だか涙が出そうになりました。
「なんとかなるやろ」
そう。
人生は辛い事や悲しい事の連続ですが…大抵の事は、なんとかなるものなのです。