映画出演 | 桂米紫のブログ

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米朝一門の落語家、四代目桂米紫(かつらべいし)の、独り言であります。

今年(2005年)の4月…ちょうどこの『都んぼの独り言』を書き始めた頃、大阪芸大の卒業制作映画に出させてもらった。

『剥き出しにっぽん』というその作品の監督さん、石井裕也くんの新作短編映画に、また出演させてもらう事になった。

石井くんとは、前作の打ち合わせ段階で初めて会った。
そして出会ってすぐに‘コイツはひと味違うゾ!’と、僕は彼に一目置くようになった。
…正直、自分より十歳近くも年下の男に、これ程魅きつけられるとは思ってもみなかった。

‘映画監督’という自らの仕事に取り組む姿勢、あくまで「人間を描きたい」という彼の信念、そして体裁など気にしない、まさに‘剥き出し’の人間性…若いのに(なんて書くと僕がまるでオッサンのようだが…まぁオッサンですが…)、石井くんは自分の進む道をしっかり見据えて一生懸命に生きる、とても魅力的な監督さんだった。

それに対し我々芸人というのは哀しいもので、いつも多少の‘仮面’を被って生きている。
でも僕は石井くんと出会って、「剥き出しに生きること」が実は一番‘芸の魅力’に繋がるのだと、再確認する事ができた。

石井くんとの出会いは、僕にとってターニングポイントだった。

…そして今日は、その石井くんの次回作「蝉が泣く」の、打ち合わせと劇中に使う写真の撮影があった。

石井くんと僕と、そして共演の金明玉(キム・ミョンオク)ちゃんの三人で、打ち合わせと写真撮影が終わってからも色んな話をしながら、じっくりお酒を酌み交わした。
‘同じベクトルの仲間達’と過ごす時間は、本当に楽しい!

本編の撮影は8月の2、3、4日。
映画監督・石井裕也の期待に応えるべく、そして僕の芸人としての成長の為に…今回も全部を‘剥き出し’にして、一生懸命頑張ります!


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