天邪鬼な人っていますよね
相手が正しいことを言っていても、それを聞かずに、相手が言ったことと反対のことをするひと。
一番身近な例だったら、お母さんと子供かな。
あなたこの服ががいいわよ。
いやだ!
でもこの色なら、汚れも目立ちにくいし、洗濯してもしわになりにくい素材よ。
こっちの白色の方がかわいいもん
白はすぐ汚れるし、綿は皺になりやすいのよ
よごさないようにするし、アイロンかけるもん
服のことで母親ともめた経験ありますよね
実用的な面から買い物を進める母親と、デザインやおしゃれさから物を選ぶ子供。
子供も年をとったら、実用的な面がわかってくるんですが、子供の時って母親と服のテイストが合うことなんてあんまりないですよね。
こういうのって別の面から掘り下げることができて、
これは自我の萌芽なのです。
上の例の時に、子供が母親より、自分のことを正しいと思ってなかったら、主張しません。でも、この時子供は自分の意見を主張しました。つまり、母親より自分のことを正しいと思っているからです。
ここでは母親が重要と思っているfactorと子供が正しいと主張しているところが異なるのですが、子供は母親が機能面ばかりに焦点を当てていることを否定し、デザイン的に良いものを選ぶべきだと主張しています。
皆さん、自己主張する時って、相手のことを否定していますよね?
相手と自分の意見が合わない。自分の思っていることの方が相手の意見より、真実に近いとおもう。だから、自分の意見が生まれる。
つまり、相手のことを正しいと思っている時って自己主張する機会がないんです。
上の例を再び用いると、
あなたこの服ががいいわよ。
この色なら、汚れも目立ちにくいし、洗濯してもしわになりにくい素材よ。
確かに。これなら美術の授業のときに着ていても大丈夫だね。
皺にもなりにくいから、カバンに入れて帰っても平気だね。
と、こういった具合になります。
ここでは母の意見に子供が納得するという形で話が進んでいます。子供は母の意見を正しいと思っています。
相手のことを正しいと思っていると相手を否定することはありません。
これって微妙な男女関係でもありますよね。
あなた浮気しているの?
してないよ
じゃあなんでこんなに帰りが遅いの?
今日は同僚と飲んでたんだよ
やましいことがないのならなんで電話のひとつもいれなかったの?
急に決まったからさ
この場合ですと、夫を疑っている、つまり、夫が過ちをおかしていると思っているので、嫁は夫のすべての行動を否定してかかります。
夫が浮気していない(夫が正しい)と思っていたら、こんな言葉は出てこないはずです。
相手が間違っているとおもうから、否定するのです。
夫のことを信頼している妻だったらばきっと二人の会話はこうなるでしょう。
あなた今日は帰りが遅かったのね
今日は同僚と飲んでたんだ
あらそう、楽しかった?
いつも通りだよ。云々、、、
といった具合に。
では相手が正しいとわかっているのに否定する場合もありますよね?
それが一番複雑なのですが、
上でも出てきたように、相手を否定することは自己主張です。
つまり、自分のことを正しいと相手に伝えるための手段です。
なので相手が正しいことを言っているのに、それを認めない時は、
相手の存在を認めていないからです。
自分の方が相手より有能だ。だから、相手のいうことは間違っている。
相手を否定することで、自分を肯定しようとしているんですね。
ここで注意したいのが、
相手と自分の意見が同じなのに、それを否定すると、自分の意見を否定していることになります。
そこからみるに、自分に自信がないから、こういうことが起きているのです。
自分に自信があるときって、相手と自分との違いを認められるものなんです。
自分に自信がないときは、相手を否定しやすい。
例えば
自分に彼氏がいるときに、友達に彼氏が出来たら、よかったねって言ってあげられますよね。でも自分に彼氏がいないときに、友達に彼氏ができたら、一言よかったね、っていうことを難しく感じたことありませんか?
そんなようなもので、
自分に自信がないと、相手を認めてあげられないんです。
つまり、自分と同じ意見の人を否定することで、本当は自分を否定してるんですね。
自分の何かに不満を感じていて、それが自信のなさにつながり、自分と同じ意見の人を認めてあげることができない。内に抱えた自分に対する不満が、他人を否定するという形で現れる。
自信がないということが、こういった形で表出するのは興味深いことです。
周りを見渡してみてください。
自分を否定してくる人がどれだけいますか?
自分を認めてくれる人はどれだけいますか?
相手を否定している人って本当に有能ですか?
相手を簡単に褒めている人って、ただの煽て上手ですか?
相手に対する接し方に、自分自身をどうゆう風に思っているかが、滲みでていませんか?
その人が自分のことを好きでいるか、嫌いでいるか、相手を見ていて感じませんか?
あなたがもし今、自分の周りにいる人を認めてあげることを難しく感じるなら、
それはあなた自身の問題かもしれません。
本当は何に不満を感じていますか?
不満を抱いているのは、本当に他人に対してですか?
相手を否定することで、自分を否定していませんか?
答えは意外と簡単なところにあるんですよ。
自分の外にいる人に問題があるのではなく、本当は自分の内側に問題があるのかもしれません。