21世紀の国富論 平凡社 原丈二
行き過ぎた市場万能主義、会社は株主のものとは一体どういうことなのか?今まで何気なく接してきた会社と株主の関係を見直す著書だ。
確かにここ数年、アメリカに始まり、ユーロも金融状態は疲弊しきっている。
これだけのことが起きてもまだ、資本主義のやり方をはっきりと改めないのは、理論上おかしいと認めるべき時期に来ているのではないか。
原氏は、ここまでの話しを学者として研究するのではなく、ベンチャーキャピタルCEOとして活躍しながら改善しようとしている実務家だ。それゆえに説得力がある。
著書の第二章からは原氏が推し進めているポストIT時代における大風呂敷に発展する。しかし、原氏の功績をつらつらと読んでいくと決して現実から乖離しているものではないと実感する勢いや息遣いが感じられるのが原氏ならではだ。
また、これらで世界中の中流層が増えることを祈る原氏のバックグラウンドが「考古学を発展さ せたいから」という子供心からというのも原氏への愛着を増幅させる。
原氏こそ、人生を「楽しんでいる」人間の姿の究極像ではないだろうか。
