もうすぐ父の日ですね。



私は今年、
父に"特別なビール"を
贈ろうと考えています。



同居している父は、
若い頃に受けた手術で
肝炎を患いました。

 



もともと体が弱かったこともあり
健康維持の努力を怠らない父。



肝炎とつき合うことになった
と、知った時も
スッパリお酒を絶ちました。

 



「孫(私の息子)の成人祝いには飲もうかな」
と、笑っていましたが、
息子が二十歳になった時も
「せっかく今まで飲まなかったから」
と、ノンアルを通してきました。



そんな状況が、
あるクラフトビールとの
ご縁をきっかけに急展開。

 



昨年のことです。
ビールが苦手だった私も
「美味しい!」と目を見張った
田舎の小さな蔵のクラフトビール。



その年の大晦日。
年越しにそのビールを用意して
父を誘いました。



「一緒に飲まない?」
「半分こしない?」



すると、
「〇〇のビールやな。もらおっか」
と、受けてくれたのです。

 



数十年ぶりのビールに
「あ〜、やっぱり美味しいなぁ」
と、しみじみした様子。

 



「よかった^^」
と、さりげなさを装いつつ
胸の内は激しく感動していました。

 



この夏、80歳になる父は
自立した男性。



自分のことは何でも自分でするし、
母亡き後、家事も育児も
サポートし続けてくれてました。

 



家族、親戚、地域のことも
誰に恩着せることなく世話を焼く父。



感謝の気持ちで
プチ孝行しようとしても
「自分はいいから」と、辞退する。

 



そんな父が
やっと素直に受け取ってくれた
私の気持ちとビール。



その時から、
このクラフトビールが父娘共通の
「たまのお楽しみ」になっています。

 



しっかりものの父ですが、

ここ数年、少しずつ活動量が減り
老いを感じさせられていました。

 



あれだけ健康第一だった父が見せた柔軟性。
それは、背負った荷物をおろし
終を受容する姿勢のように思われます。

 



いつかは来ると覚悟してるけど、
同時に今じゃないと思ってる。

 



その時を思い、意識するのは
ちょっぴり切ないですが、
父の余生に、ささやかな喜び
ちょっとした彩りを添えられる幸せ。

 



いろんなご縁に感謝して
今年の父の日は、

父と私にとって
”特別なビール”を贈ります。