「こんなアジが釣れることはもうないやろう」

 



尺アジ(30センチサイズの鯵)を選び出して撮影する父の言葉に
「そう言いながら釣って帰ってくれるやん」
と返しながらも
「確かに今年で80歳だし、いつまで海に行けるかわからんなぁ」
と、父とは別の意味で思い直し
記念すべき?釣果写真をシェアしてもらいました。

 



船酔いする父は陸釣り一本。
まれにボウズ(1匹も釣れない)の時もあるけど
父が釣りに行けば「新鮮な魚が食べられる」と家族はみな楽しみ。

 



今回も、同じ場所でひとりダントツで釣れた父。
「また釣れてる」という外野の声が聞こえてきたと照れ笑い。

 



父がその場所で釣るのは今シーズン3度目。
2度のリサーチで
釣れる時間帯や釣り糸を垂らすポイントを探り
この時期この場に適切な

仕掛けやエサを用意した上での釣果でした。

 



これまで意識したことがなかったけど
釣りに関して父は結構すごい。

 



自身が記録・記憶している

数十年のデータと経験をもとに
情報収集や実地調査の労をいとわない。



仕掛けも釣る場所も
仮説と検証を重ねては常に更新し
そして、大抵それなりの釣果を上げ続けてる。

 



一方、自営の製造業では職人気質で
商品に定評はあったものの商売人になれず
こぢんまりとした商いにとどまった父。

 



家でも外でも裏表なく
めんどう見がよくマメに動くだけに

世話役など引き受けることが多い父。

 



ただ生真面目なお人よしと思ってた父が
釣りを通して地道にコツコツ
成果につながるプロセスを見せてくれてた。

 



こんなに近くにいて
私はこれまで何を見ていたのだろう?

 



結局、自分に見る目や視点がなければ
価値あるものに気づけないってことなのだ。

 



人の目利きになりたい。

人それぞれの価値を共有して
互いを尊重しながら学び合い

人として成長し、成熟していきたい。

 

 

 

人生で一番つき合いが長い父に見た

新鮮な切り口からの気づきです。