
以前にも書いたかもしれませんが、カンザキアヤメは普通のアヤメ(5~6月)と違って1~3月の寒い時期に咲く珍しい品種。
花弁は7~10cm、根生の葉丈(15~30cm)に比べて茎の部分が短いので花の背丈は低く、葉っぱの陰に隠れがちなため、些か恥ずかしがり屋なお花。
しかし、カンザキアヤメは普通のアヤメと違って年中葉っぱが茂る常緑性で、そのちっちゃなお花とシャイな見た目に反して寒さだけでなく暑さにも強く、日が当たって水はけが良ければ痩せた土地でも育ち、これといって注意する病原虫を持たない丈夫な植物。
花が少なくなる冬場とあっては数少ない“庭の彩り”です。
カンザキアヤメに限らず、小さくて地味であっても厳しい環境に耐えながらも逞しく咲いている花は美しいものですから、私はカンザキアヤメが好きです。
どことなくですが、そういう性質が安芸門徒(浄土真宗の信徒)が多い広島県民の我慢強さや辛さ知らずといったバイタリティ溢れるところが海外へ移民として渡った後もしっかり根を張り、中には農業や事業で一大成功を収めた者も現れた広島県出身の日系人の逞しさや気高さにも通じ、同じくハワイやブラジルに移民し、安定した生活と幸せを勝ち取った古い親戚たちの姿にも重なります。
新天地へ渡った古い親戚たちが譲ってくれた旧宅は無くなり、今は我が自宅が建っているけれど、このカンザキアヤメが今もこの旧宅のあった土地で昔と変わらず逞しく咲いている限り、故郷(ふるさと)を見失うことはありません。
私のようなドロっドロに心の汚れたオッサンが無粋にも写メを撮ろうともカンザキアヤメは何も言わず(←いや、当たり前だろw)、誰のためでもなくただ自然に任せて今日も花を咲かせ続けるのですから健気なもんです。
歳を重ねたせいか、若い頃は食べる物以外の植物なんて大して興味がなかったけれど、人生も折り返し地点を過ぎからというもの、この歳になって「花って良いよなぁ…」な~んて思うようになった南部廣洲です。