2024年6月13日(木)

 このところどういう訳かブログを書く意欲がまたまたすっかり失せてしまい、日々漫然と読書と映画&音楽鑑賞に明け暮れているのだが、以下の訃報にだけは触れておかなくてはなるまいと、重い腰を上げることにした(敬称略)。

 

 2年程前に当ブログで採り上げたことのあるフランス人歌手フランソワーズ・アルディ(Françoise Hardy)がおとといの6月11日に満80歳で亡くなった(当該記事→https://ameblo.jp/behaveyourself/entry-12681705458.html)。

 上の記事では、長年にわたって癌治療の多大な苦痛に耐えて来たものの、次第に「最後の時」が近づいていることを感じているというアルディによる、(自身は家族の気持ちや現在の体調を考えるともはや実践出来ないだろう)フランスでの尊厳死(安楽死)合法化を求める主張を紹介している。

 それから約2年の歳月が流れて「最後の時」が現実に到来した訳だが、当時既に食べ物を嚥下することが困難で、正常に機能している部分もほとんどなく、ひときわ夜が辛いと明かしていた彼女に、ようやく休息と平穏の時が訪れたと考えて喜ぶべきなのか、それともこの稀有な歌い手がこの世に永遠の訣別を告げたことを一愛好者として悲しむべきなのか、正直私はまだ決めかねている。

 

 幸いにして我々には彼女のものした数多くの歌が残され、以下のYouTubeサイトなどで気軽に接することが出来る。(今のところ)こちら側に「残っている」者たちがなしうる最善の追悼行為は、永遠の安息と平穏を祈りつつその歌声をこれからも繰り返し聴き続けていくことだろう。RIP.

 

 

 「Le Monde」などのフランス主要メディアは有料になってしまっていて記事を参照出来ないため、最後に私が日頃よく目を通している英紙ガーディアンの記事を幾つか貼付しておく。