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  2018年1月8日(月)
 この時期にはどうしても多くなる訃報がまた一つ。
 フランス・ギャル(France Gall。1月7日死去、享年満70歳)。
 彼女については以前セルジュ・ゲンズブール(Serge Gainsbourg)について書いた時に触れたことがあるのだが(https://ameblo.jp/behaveyourself/entry-12502041242.html)、ユーロヴィジョン・ソング・コンテストでグランプリを取った「夢見るシャンソン人形」(Poupée de cire, poupée de son=蝋の人形、もみ殻の詰まった人形。sonは「音」でもある。★)や、「涙のシャンソン日記」(Attends ou va t'en)などセルジュ・ゲンズブールの曲によって成功を収め、その可愛らしい容貌も手伝って、「フランスのロリータ」(Lolita française)として人気を集めた。

《★最初は各曲の題名に日本語の訳をつけてみたのだが、どうにも間の抜けたものになってしまい、結局すべて削除することにした。例えば「Puisque tu pars」という歌の場合、「きみが行ってしまうから」と訳すと説明調すぎて違和感があり、そうかと言って「きみ去りしゆえ」などと訳せば戦前の歌のようにも思えてしまう。英語に訳すことも考えたが、それはそれで無理があるので、最終的には訳を付さないことにした。》
 さらに上のブログにも書いたが、同じくゲンズブールによる「アニーとボンボン」(Les sucettes)というエロティックな歌詞を持った曲によって物議を醸したことでも知られる。
 「夢見るシャンソン人形」(Poupée de cire, poupée de son)
 https://www.youtube.com/watch?v=hs22Smspn9w ←日本語訳とカタカナつきだが、いずれも間違っているのが残念である
 https://www.youtube.com/watch?v=7z0oFtqxB4U ←このユーロヴィジョンの映像ではゲンズブールも映っている
 https://www.youtube.com/watch?v=i18nC6drORM←本人による日本語版である
 https://www.youtube.com/watch?v=j2GUQCQ_Fis ←ゲンズブールに日本語を披露
 ついでに日本語で歌われた「夢に見た王子様」という歌もあるので紹介しておく(原曲は「Un prince charmant(素敵な王子様)https://www.youtube.com/watch?v=0-L106tP0vM」らしい)。
 https://www.youtube.com/watch?v=oZh7A3F1Qf0
 「涙のシャンソン日記」(Attends ou va t'en)
 https://www.youtube.com/watch?v=a4ljOXDVfNc
 「アニーとボンボン」(Les sucettes)
 https://www.youtube.com/watch?v=q-iysdFu_TQ
 https://www.youtube.com/watch?v=9Pxt_R7jLKA ←ゲンズブールとデュエット

 私は全く知らなかったのだが、以下の英紙ガーディアンの訃報記事によれば、後にポール・アンカの編曲によってフランク・シナトラの大ヒット曲となった「マイ・ウェイ」の原曲である「Comme d'habitude」(https://www.youtube.com/watch?v=ug5coxz8hGM)は、作曲者の一人でこの曲を自ら歌ったクロード・フランソワがフランス・ギャルと破局した後に作られたものだそうで、その歌詞にはフランス・ギャルに対する女々しい未練が込められていると言えるかも知れない(従って以下の記事ではフランス・ギャルが「マイ・ウェイ」の着想を与えた人物と紹介されている)。
 https://www.theguardian.com/world/2018/jan/07/french-singer-and-eurovision-winner-france-gall-dies-age-70

 ついでにゲンズブールが作曲してフランス・ギャルに提供した代表的な曲を以下に挙げておく。
 「N'écoute pas les idoles」
 https://www.youtube.com/watch?v=ssu1qzLwodE
 「Laisse tomber les filles」
 https://www.youtube.com/watch?v=FWRCJhsz5t4
 「Baby Pop」
 https://www.youtube.com/watch?v=4UJfdoVoM7I
 「Ne sois pas si Bête」
 https://www.youtube.com/watch?v=8YSVXnnfQiU
 「Quand on est ensemble」
 https://www.youtube.com/watch?v=zfA93m2a3ok
 「Teenie Weenie Boppie」
 https://www.youtube.com/watch?v=93bJOkP180U
 「Nefertiti」
 https://www.youtube.com/watch?v=clPnmS344AE
 「Frankenstein」
 https://www.youtube.com/watch?v=jDeusrNk_jE

 さらに二人がデュエット(?)している代表曲として、
 「Pauvre Lola」(あわれなローラ)
 https://www.youtube.com/watch?v=tf1xAgNRecg


 そして後期(?)の代表曲であるらしい(英語版Wikipediaには日本でもヒットしたと書いてあるのだが、本当だろうか)、エラ・フィッツジェラルドに捧げられた曲。
 「Ella, elle l'a」

 https://www.youtube.com/watch?v=lgHGU8gqz9U

 

 フランス・ギャルの公式Youtubeは

 https://www.youtube.com/channel/UCmj9C5T13N7C3wmGff3topw

 



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 ついでで恐縮だが、昨年12月に亡くなった際に記事を書こうと思って失念していたフランスの大物歌手ジョニー・アリデイ(Johnny Hallyday。12月5日逝去。享年満74歳。上の写真。仏語では「アリデイ」よりは「アリデ」に近い→https://ja.forvo.com/word/johnny_halliday/#fr)についても触れておきたい。
 1960年代のフレンチ・ロック界を代表する歌手であり(当時は日本でもそれなりに人気があったらしい)、フランスにおける名声は21世紀に入っても途絶えることがなかった。歌手シルヴィ・ヴァルタンの夫としても知られ、娘のローラ・スメット(Laura Smet。ただし母親はトリュフォーやゴダール、シャブロルの作品などで知られる女優のナタリー・バイ=Nathalie Baye←これまた「バイ」よりは「バーユ」、「バイユ」に近い→https://ja.forvo.com/word/nathalie_baye/#fr)は女優として活躍している(特にシャブロルの「石の微笑(La Demoiselle d'honneur)」における演技は高く評価された)。
 個人的な思い出では、初めてフランスを訪れた時、ちょうど彼の「Gang」というアルバムが流行っていて、収録曲である「Je te promets」や娘のローラ(今では女優になっているLaura Smet)に捧げられた「Laura」、「J'oublierai ton nom」などのヒット曲は、ラジオなどからもよく聞こえてきたものである。
 「Je te promets」
 https://www.youtube.com/watch?v=-TkrMyXYbik
 「Laura」
 https://www.youtube.com/watch?v=prgsiq1Z8wM
 「J'oublierai ton nom」
 https://www.youtube.com/watch?v=BL6E8QSWfaM

 

 ジョニー・アリデイの公式Youtubeは

 https://www.youtube.com/channel/UC9wvnHwKWvE_unCTf1eLKHw


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 さらに話がそれてしまうが、この「Gang」というアルバムをプロデュースしたのはジャン・ジャック・ゴールドマンという(Jean-Jacques Goldman。上の写真。これまた「ゴルマン(ヌ)」に近い→https://ja.forvo.com/word/jean-jacques_goldman/#fr)、1980年代以降のフランス・ポップス界の大御所で、日本でも「ジャン・ジャック・ゴールドマン/JJG グレーの世界」というCDが発売されたこともあるのだが(http://artist.cdjournal.com/d/-/1120002627)、あいにくほとんど注目されなかったようである。

 おそらく今のフランス人で知らない人はいないと言ってもいいほど有名なシンガー・ソングライター兼音楽プロデューサーなのだが、私もまたこのCDに収録されていた以下のような曲を愛聴したものである。
 「Puisque tu pars」
 https://www.youtube.com/watch?v=dc40M9DEVWI
 「La Vie Par Procuration」

 https://www.youtube.com/watch?v=n1E0QR4LAL4

 

 ジャン・ジャック・ゴールドマンの公式Youtubeは

 https://www.youtube.com/channel/UCXTzMdL93XOC6Gcil9_lghA/featured


 すっかり過ぎ去った日々を懐かしむ後ろ向きの内容になってしまったが、フランス・ギャルとジョニー・アリデイの死を心より悼みたい。