発酵系の漬物作りでは観察することのできない菌の生きている様子が、パン酵母作りでは見られることがとても面白い。
しかし、小麦粉で作るパンとは改めて奥深く、そして不思議だ。
昨今では米粉パンというものもあるが、グルテンを含まない米は、基本的に膨らませることが難しいという。
グルテンは水を加えて捏ねることで、網目状の構造を形成し、イーストの発酵により二酸化炭素を閉じ込めることで、パンを膨らませるそうだ。
なので、米粉100パーセントでパンを作るには、捏ね方や水加減をしっかり調整しなくてはならなかったり、卵を使ったり、もしくはイーストの代わりにベーキングパウダー等の膨張剤を使わなくてはならない。
さらに膨張剤を使わないパンは、時間が経つと固くなることも多いらしい。
なので、例え米を使って酵母を起こすことができても、グルテンが含まれる小麦粉で種を起こさなくてはふっくらしたパンらしいパンはできないということなのだろう。
天然酵母を使用したお店のパンは、カビやすい。
実際、スーパーの食パンと天然酵母の食パンを同時に買ってきたら、スーパーのものは夏でも賞味期限を三日過ぎてもカビが生えなかったが、天然酵母のパンは買って二日目にはカビが生えたことがあった。
工場生産のパンは、雑菌が入らない環境で、酵母も厳選されたものを使用しているから、腐りにくいのだろう。
しかし、昨今の小麦アレルギーを始めとしたグルテン関連障害を発症する原因のひとつに、生地の発酵時間の減少によって、パンのグルテン含有率が高まっていることも原因のひとつに挙げられているという(下リンク グルテン関連障害Wikipediaより)。
出来上がるまでの時間を惜しむ代わりに、体にとって有害になるものの量を増やしてしまうということはあるかもしれない。
野菜もそうだ。
昨今の野菜は、昔の野菜よりも栄養価が下がっているらしい。
今の人たちは、たくさんの種類の食べ物を食べられるようになったけど、肝心の中身は空っぽなのかもしれない。
食べても食べても、満たされないのは、食べ物自体に栄養がないことと、食べるまでの手間、そして自分が食べるものの責任を他人に任せ過ぎるようになったからなのかもしれない。

