これを見るのは何度目だ?
やっぱり、恋愛ものの物語としては、めちゃくちゃ秀逸だ。
今までは、主人公の宮沢りえ演じるつかさが好きになるうだつの上がらない家庭持ちのサラリーマンの赤井英和演じる吉本さんが、回を追うごとにどんどんかっこよくなり、自分もつかさになった気持ちで惚れてしまいそうになるのが良かったが、実は、つかさが初めに好きになる都会的で仕事ができてイケメンの東幹久演じる島さんの男や人間としての成長の描き方が素晴らしい。
仕事ができてイケメンでモテる自覚のある島さんは、初めはつかさのことを自分勝手に振り回すだけだったのだが、つかさの心が吉本さんに傾き、どんどん離れていくことで、自信をなくしてどんどん弱くなっていく。
引き止めれば引き止めるほど、つかさは吉本さんに夢中になるのだが、島さんは反対につかさが吉本さんに惚れれば惚れるほど、つかさに惹かれていく。
それは、吉本さんという人間が、自分に正直で、自分を飾り立てることがないけれど、人に平等に接して、仕事にも誠実な人間的にも尊敬できる男であり、外見ではなく中身に魅力かある男のロールモデルをつかさを通して島さんが気付いたからなんだろうと思う。
つかさはつかさで、家庭を一番にする吉本さんでなければ好きにならなかっただろうし、島さんも吉本さんを好きになるつかさでなければ、本気にならなかった。
そこに損得勘定や打算はなくて、その矛盾に翻弄されながら、彼らはそれぞれに相手を好きになるほどに自分の弱さに気付き、さらけ出し、そして恋愛に結果を求めるんじゃなくて、湧き上がってきた気持ちにただ正直になることに価値を見出していく。
するとそれぞれは、自分の気持ちを押し付けるんじゃなく、相手の気持ちを大切にする行動を選ぶ。
それは必ずしも、自分の欲求が満たされる結果にはならなかった。
人を好きになることはどうにもならない。
好きになった人に好かれるとは限らない。
だけど、自分に今、湧き上がる気持ちに正直になって、起こした行動だけが自分自身を納得させることができる。
しばらく連絡を取っていなかった少し前に一緒に働いていた若い子が、また彼氏と喧嘩したから話を聞いてくれと連絡をよこす。
いつもいつも、喧嘩の原因は同じだ。
単純に言えば価値観の相違なのだろうが、彼女は彼氏に自分の価値観を押し付けられていると思って、感情的な行動に出る。
好きだけでは、上手くいかないんですよね。彼女はいつもそういう。
別れたいなら別れなよ。でも、追いかけてくることを期待して家出するの、良くないよ。と私はいつも諭す。
聞いて入れば、確かに彼氏はまだまだ子供っぽいところがある、と感じる。
彼女を幸せにできるか、自分の仕事が上手く行くか不安で、それがちょっとしたことで切羽詰まったときに、感情的になり当たりやすい彼女にぶつけるのだろう。
いちいち、反応するな。とは言ってもそれはとても難しい。自分を否定するような言葉を怒りに任せてぶつけられれば、こっちも反発するとか、泣くとかして、意図も簡単に相手の感情に過剰に反応してしまう。
彼氏はすぐにそれ、治んないよ。それでも好きなの?
はい。
じゃあ、あんたが賢くなりなよ。
彼氏を馬鹿だと子供だと見下すんじゃなくて、互いに自分が思ってることを正直に口にすればいつか分かり合えると信じて、やってくしかないんじゃないか?
私は彼女の彼氏に一度会ったことがあるけど、外見もイケメンだけど、中身も素敵だと思った。
外面がいいんだと彼女は言うけれど、外面が良くなくて、どうして社会に出て、家族を守っていけるというんだ?!
話していても賢い人だと思ったし、彼女から話を聞いていても自分に嘘が付けないだけで、責任感があるからこそ、彼女とのことも慎重なんだろう。
おまえたち。
自分の"好き"が足りないぜ!
相手が何かしてくれることに期待なんてすんなよ。
してあげたことすら忘れて、してくれたことだけ忘れんな!(最近読んでる"史記"という漫画でも言ってた!恋愛漫画じゃない歴史漫画だけども)
東京エレベーターガールをサブスクで三回ぐらい見ろ!
と、すっかり枯れ気味のおばさんは、無責任にそう言いたいのである。
