パン生地のような発酵のいい香りがしてきたので、本漬けをしてみた。
糠漬けといえば、かぶでしょ!(そうなの??)
あとは、定番のきゅうりとだいこんとにんじん。
丸一日、埋めておく。
なんということだ…。
これが、あの漬物の王道ぬか漬け様か。
まったく酸っぱくもなく、最初の捨て漬け野菜の味見のときみたいにしょっぱくもない。
絶妙な酸味と塩気に、生野菜のほのかな甘さすら残している。
これを食べるとピクルスは多少、くどい。
あれは、調味料の美味さであり、野菜の美味さを完全に消している。
こんな漬物がこの世にあったんですか!?
漬物というより、サラダ。
いや。サラダよりも乳酸菌が加わった分、もっと栄養価が増しているのではないか?
これが、炊きたてのご飯に絶妙に合う。
そりゃそうだ。
なんたって、糠は米の皮(皮?)。
米のお母さんのようなもの。
合わない理由があるか?いや、ない。(←反語)
どうして私の育った環境にはぬか漬け文化がなかったのか。
単純に米どころではないということもある。
また、魚を使った漬物が冬の保存食の定番であるし、寒いから味の濃いものを求めるあまり、糠漬けだと味が物足りなかったのかもしれない。
そして、飯寿司やニシン漬けなどは、香の物というより、おかずの立ち位置なのだろう。
そう。香の物。
これが、香の物!(大事なことなので、三回言う!)
特に驚いたのは、かぶ以上ににんじんの美味さである。
にんじんのえぐみが緩和され、甘みだけが引き出されている。
夏になったら、漫画美味しんぼのように、握り飯片手に畑でとりたての野菜を使ったぬか漬けを切らずにそのままかぶりつきたい。
ちょうど、タケノコをいただいたので、それをぬか漬けにしても面白そうだ。
しかし、今でこのポテンシャルなら、あと半年もしたらどれだけ美味くなるというのだ?!
このぬか漬けというものの奥行き。
そして、その懐の深さ。
私はこれを知らずによく白米を、のほほんと食べていたものだ。
野菜を直接、長時間発酵させて作るものではなく、長時間その床となるものを発酵させて、野菜のアクを適度に抜き、栄養価を損なうことなく、それぞれの美味さを最大限に発揮させつつ、乳酸菌という有用な菌まで添加する、これこそ完璧な野菜の食べ方!
もはや、これは食の芸術です!
災害時には、何よりも先にぴー様とぬか床を避難させたい気分だ。
