山はもう、すっかり冬になってしまった。
外のぶどうは寒風に晒されて、少しずつ縮んでいく。
まだぶどうは、レーズンにならない。
まだまだまだまだ、ならない。
滑らかな曲線を描いていた表面は、内部に蓄えていた水分を蒸発させるほどに小さな面を作り出した。
それは徐々にへこみ、周囲との境目を明確にさせ、個別の面の集まりとなる。乾いた風はぶどうの粒の表面から平等に水分を奪っているはずなのに、どうして凸凹の面を作り出すのだろう。光と重力と空気と。様々な要素が複雑に絡み合って、表面をまるで宝石みたいに輝かせている。
ぶどうのたった一粒ですら、不思議だ。
不思議を因果関係で解剖して、自然をこの手で再現したいという欲望。
一番不思議なのは、そういうキミたちだよ。
自然の方がそう、問い掛けてくるみたいだ。


