こないだ茹でたタコのアタマだけが残っている。
歯応えの良さを求めて、どうしても脚を先に食べてしまう。
スーパーで売られているタコは、脚の方が値段がお高く、アタマは3割ほど安い。
頭よりも、脚の方が好まれるのだろう。
しかしふと思ったのだが、イカは反対だ。
昨今はすこぶる漁獲量が減り、胴はツボ抜きと呼ばれて、脚と内臓を抜いたものが冷凍で大事そうに一杯づつ売られているが、脚は何杯かまとめて、叩き売りされている。
私はイカも胴より脚が好きだが、世間では胴の方が価値が高い。
ふと思い出したのだが、いつだか本州に住む甥っ子が北海道に来て、一番美味しかったのは、回転寿司のタコのアタマだったと言っていた。
他にも北海道ならではの、美味しいネタがたくさんある中で、なんでそれなんだ?しかも、脚ではなく、アタマである。
地元民でも、わざわざ回転寿司でタコアタマを進んで頼む人はなかなかいない気がする。
こちらでは、ミズダコしかほぼ食べないが、本州ではマダコのアタマはどうするのだろう?
スーパーでマダコのアタマは普通に売られていないのだろうか?
しかし見た目は悪いが、タコのアタマは柔らかくて美味しい。脚と味は変わらないし、なんなら食感としては、吸盤がない分、万人受けするだろう。
もしかしたら、タコの頭はイカの胴と同じかもしれない。
なんなら、イカは熱を加え過ぎると固くなるが、タコのアタマは柔らかいままだ。
イカとタコの味にそんなに違いがあるだろうか。
見分けのつかない切り方で出されたら、舌で区別する自信がない。
先に作っていたハウスで採れたナスとピーマンと唐辛子の煮浸しに、タコの頭を載っけて、マヨネーズソースをかけ、オーブンで焼いてみた。(別に載っけなくていいけど、タレが一回で済むから)
棒ハンバーグレストランチェーン店のイカの方舟ならぬ、タコアタマの方舟である。
みなさんも、お高いイカよりも、手頃なタコアタマで作ってみてはいかがでしょうか?(というか、そもそも全国的にタコアタマはメジャーではないだろ!)