来月まであと10kg落としたいと後輩が言った。
登山やトレッキングを一緒にし、食事も気を付けているが、落ちては増えるを繰り返しているという。
私もそろそろ冬に増えた分を落とさなければ登山シーズンに間に合わない。
1キロでも増えれば、身体が重くなってすぐに疲れやすくなることを体感的に知っている。
家でヨガはやっているが、有酸素運動が足りていないので、昼休みを利用してジョギングをしようと思うけど一緒にどう?と彼女に尋ねる。
初めは寒いしなあと躊躇していたが、他の子がやります!と言うと、彼女も意を決したように頷いた。
彼女はたまにジムにも行っているようだが、ジョギングをしているときは、10分歩いては休むと言った。
たぶん、20分は継続しないと脂肪は燃焼しないとか言われているから(正確には違うと思うが)、最低でも30分は走り続けなければならないだろう。
彼女のためというよりも、自分のためだと思わないと続かない。
私一人でも続けられる覚悟がなければいけないだろう。
走るだけでは飽きるから、ヨガやストレッチ、コースなども考える。
自分が楽しく続けられなければ、他の人もついてこられないだろう。
楽しさというものは、少しの辛さを伴う。
楽であることと楽しいということは違う気がするのだ。
彼女は妊活をしていて、ホルモンバランスが崩れていることが不妊のひとつの原因でもあるらしかった。
太るのはホルモンバランスもあるが、ストレスもあるのだろう。
彼女も私も食べることは大好きだ。
しかし、必要以上に食べてしまう時は、何か満たされないものを食欲で埋めている場合が多い。
ならば習慣を変える、つまり、本来あるべき場所に意識を向ける方法が必要である。
痩せることがプレッシャーになると、反動的に食べることに意識が向くことになるから、食べる以外の楽しみを作ることが大事なのである。
晴れた日に太陽の光を浴びて汗をかくのは単純に気持ちがいい。
ダラダラ歩くのではなく、ちょうどいい負荷をかけるのだ。
辛いことが終わったあとに訪れるなんとも言えない爽快感。
そのときの気分を記憶するように走り終えたあとは、ああ!気持ちいい!と言葉にしてみる。
走ることは楽しい!
風を切って、光を浴びて、季節の移り変わる様子を肌で感じる。
初めは寒くて震えていたのが、ジャケットを脱ぎたくなるほどに内側から何かが燃えるように熱くなるのを感じると、生きてるな!と心から思う。
無意識が身体と自然を繋げるまで、私は動く楽しさを言葉に変えて、自身を洗脳するのだ。
私は彼女を洗脳する。
不安を煽るのではなく、食べることに罪悪感を感じるのではなく、お腹がすいて自然に食べ物を欲することを感じるために。
