寒いからなのか、自分の中でご飯ブームが止まらない。
大量の根菜類(特にタケノコ、コンニャクは欠かせない)と肉などを醤油ベースで味付けしたけんちん汁風の汁物を鍋いっぱいに作り、ご飯を炊き、あとは飯寿司や漬物。もうここ最近、こればっかりだ。
ご飯は基本的に好きではないため、白飯だけでは食べられない。なので、イカの塩辛とか、海苔とか、ご飯のお供が必要なのだが、炊き込みご飯とかチャーハンやオムライスはそんなに好きではない。
しかし、混ぜご飯は好きである。
特に"美味しんぼ"の日本全県味巡りの企画の大分県編で紹介された"吉野の鶏飯"が、長年に渡る不動の一位である。
鶏もも肉を小さく切ったものとささがきにしたゴボウをごま油で炒め、醤油、砂糖、酒、みりん、そしてニンニクで味を付けたものを炊きたてのご飯に混ぜるだけだ。
炊き込みご飯は、冷えるとあまり美味しくない気がする。ご飯がパサパサになって、もち米でも入れなければ具と米がバラバラになってしまう。
けれどもこれは、なぜか冷めた方が美味い。という代物である。
具が鶏肉とゴボウのみなので、五目炊き込みご飯のようにひじきやら人参やら油揚げを入れたくなってしまうが、そこは我慢だ。
なぜならこれは、それ以外の具材を入れると全く別の食べ物になってしまうのである。
土付きのゴボウを選ぶのはもちろん、切ったゴボウは水に晒さないことが重要だ。
そしてできれば、皮をこそげ落とさず、なるべく表面の泥だけを落とすだけにしたい。
そうすることで、醤油と砂糖の濃い味付けに負けないゴボウの力強い土の風味をより感じることが出来るからである。
ゴボウは、きんぴらにしてもそうだが、あっさり、さっぱりの上品な味付けにしようだなんて、決して思わないことだ。
これちょっと下品じゃね?ってぐらい濃く味付けをして、テラテラ光るぐらいにごま油を効かせるのが良い。
そして鶏飯に絶対に欠かせないのがニンニクだ。
しかも国産の生のニンニクを使ってもらいたい。
じっくり味をつけた具材を炊きたてご飯に混ぜ込んで、すぐにおにぎりにする。
そしてわざと冷ましてから食べる。
ゴボウのその独特な歯応えと土の風味を味わう。
ゴボウ、タケノコ、干ししいたけ、こんにゃく。
しかし、この子達はなんだってこんなに私の口にしっくり来るのだろう。
彼らを口の中に入れて、永遠に噛み続けていたい。