冬の小川を覆っていた
氷の毛布は取り去られた
太陽の光を一身に浴びて川面は
一斉に訪れる命のはじまりを
喜んでいるみたいに煌めいている
流れを持つ川は温かい
全てが閉ざされたようにも見えた
厚い氷の真下で
その流れは止むことなく
休息している命の種を
優しく守り続けていた
僅かな熱に引き寄せられて
冬はゆるやかに解けていく
表面に現れた川の流れに呼応して
春は相乗的に進む
何事も新しく
始めるのにはふさわしい季節だ
厳しい寒さがもたらした
閉塞感から解き放たれて
心は放射線状に飛び散る
未来を思う今の気持ちですら
明るくないのなら
願いは叶うはずもない
空は高くなる
光は遠くなるから
より明るく広く照らす
私の膜の境目はどんどん薄くなる
私とキミには
さほど違いはない
川の底に隠していた
温かい流れを
私もキミも
ずっと持っている
