夕方に一瞬だけ、シマエナガがやってくる。
昨日は5羽ほど。
大勢でやってくるから、ここを縄張りにしているシジュウカラさんたちが、慌てて脂身を啄むシマエナガに攻撃をしかけて、すぐに追いやってしまった。
慌ててカメラを構えるも、ピンが合わない。
シジュウカラめ!と少しだけ、腹が立つのだが、よく考えたら初めにこの脂身に気付いてくれたのはシジュウカラさんたちだった。
そのときはやっと来てくれた!と嬉しかったはずなのに、かわいいシマエナガさんたちが来ると、シジュウカラさんたちを心で邪険にしてしまう。
いやいや。
シジュウカラさんだって、小さくて、背中は緑色の羽根で、美しく、かわいいはずなのに。
シマエナガさんたちを追いやってからもしばらく、シジュウカラさんのつがいと思われる2羽は、しばらく交代でこの脂身を見張っていた。
冬は、虫も簡単には見つけられない。
寒さから身を守るには、身体に脂が必要なのだろう。
シマエナガばっかりに気を取られて、ごめんね。となぜか、シジュウカラさんに申し訳ない気持ちになる。
シジュウカラさんの顔が白かったら、私はかわいいと思ったのかな。
でも、かわいいと思われない方が、私みたいな人間に追いかけ回されなくて都合がいいのかもしれない。
それにしてもシジュウカラ、コガラ、ヒガラは、他の鳥たちよりも人間への警戒心が薄い。
シマエナガはああ見えて、なかなかずる賢く、攻撃的であるように思えた。
集団でやってきて、一斉に脂身に群がり、そして他の鳥が来れば、一瞬で逃げ去る。
しかし、もう冬だというのに、ここに来るシマエナガさんたちは、モフモフしていなかった。
秋の間に脂肪を蓄えることができなかったのだろうか。
シマエナガの子育ては、なかなか壮絶らしかった。
モフモフとした身体は、夏の子育ての忙しさですっかりとやせ細ってしまうらしい。
巣は精巧な作りだ。
羽根や苔を集めて、蜘蛛の巣を繋ぎ合わせ、木の又に作るのだという。
天敵に襲われやすいので、抱卵から給餌を経て、1ヶ月の間に雛を独り立ちさせる。
早くしなければ、天敵に襲われる確率が大きくなるからだ。
その間に雛が襲われ、巣を壊されることもたくさんあるのだと前にテレビで見た。
シマエナガを追うカメラマンが、それでも同じ年にもう一度、巣作りをする様子を捉えたという。
シマエナガの親は、どんどんやせ細り、それでも立派に子供たちを巣立たせた。
もう、テレビの前で号泣だ。
ぴー様は時々、食器棚の隅の暗がりで、なにやらぴよぴよと言いながら、丸くなっている。
そして、毎日、食べた餌を吐き戻しては、お気に入りの木の枝に擦り付け、それからすりすりとお尻を擦り付ける。
抱卵と交尾の真似事だろうか。
それを見る度、いつもちょっとだけ、せつない。





