師匠の家で、マスのはさみ漬けを習った。
漬け物の中で、はさみ漬けが一番好きである。
マスの代わりにしめ鯖を使って、はさみ漬けを作る。
スライスしたしめ鯖。
お湯で戻した麹。
人参、生姜の千切り、唐辛子、塩昆布。
酢、砂糖、レモン汁を混ぜたものを用意する。
あとは、袋に入れて重石をし、涼しいところで二週間ほど放置するだけだ。
野菜と魚を麹菌が繋ぐ。
そのためには時間という調味料が必要だ。
このままではバラバラだった味が、お互いに時間をかけて、馴染んでいく。
しょっぱくて、あまくて、酸っぱい。
混沌となっていたものを一体化させていくのが、時間だ。
漬け物は、時間をかけることで完成する芸術品である。
見た目の美しさ、複雑な旨味。
あるものをどうやって無駄なく、長く食べていくかを考える先に心を満たす風景がある。(大袈裟)



