秋鮭の定置網にかかった漁師さんでも見たことがないという魚をもらった。
市場に出回ることが珍しく、しかも主に南日本に棲息しているので、ここの漁師が見たこともないというのも当然だ。
脂はあまりなく、あっさりとした旨味がある。
他にクロゾイとゴソガレイの刺身ももらった。
刺身好きな娘が、これは何の魚か?と尋ねることもなく、もそもそと食べている。
しかし、箸が進むのは、マツダイの皿の方だった。
私にすると、どの刺身も同じような美味しさだったのだが。
しかしこの子は本当に不思議な子だ。
空気が読めないとか、先が読めないとか、人の心を自分に置き換えて考えるのが苦手とか、そういう人間の文明社会においては不便にも思えるところを補う部分で逞しいのだ。
やっとシフトに夜勤が入った。
最近は愚痴も言わなくなった。
先輩は相変わらず厳しいが、責められることはなく、上司は優しく、新しく入ったおばさんの助手さんに助けられているという。
この子は昔から、人の運がいい。
いつもいつも、窮地に陥ると、助けてくれ、理解しようとしてくれる人が必ず現れるのだ。
いや。自分を助けてくれる人を嗅ぎ分ける能力に長けているのか。
この見た目ではまったくわからない白身の刺身のどれが高級かを意思で見分けず、野生の勘で嗅ぎ分けるようにして。
生物学者 福岡伸一教授_bot@s_fukuoka_bot
社会のなかの、あるいは日本のなかのひとつの個人として社会を構成する単位だとすると、それは1枚のタイルみたいなものだということです。でもそのタイル自身に意味があるのではなくて、実はタイルとタイルが接している目地のところに存在の根拠があるということなのです。
2021年09月21日 10:07



