吹雪が来る | 想像と創造の毎日

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写真は注釈がない限り、
自分で撮影しております。

  冬型の気圧配置の特徴である南北に伸びる縦縞が、東に抜ける際に傾いて、天気図に横縞を描く。

  やっぱり、冬はこのままでは終わらない。
  雪が比較的少ない北海道の東側にも、とうとう吹雪の予報である。


  夏はあんなに霧に包まれるどんよりとした曇り空の日ばかりなのに、冬になると毎日のように晴れが続く。

  夜は、オリオン座のM42大星雲が赤紫色にぼんやりと光るのが見えるほどに空気が澄んでいる。

  その煌めく夜空が、地上の熱を一気に奪って宇宙に放出するものだから、朝の雫たちは、少しでも温かい場所に張り付いて、その秘密の美しい形を人目にさらしてしまうのだった。


  蜃気楼のように国後島が海に浮かんでいる。
  飛び込んで泳いでいけそうなほど、すぐ近くにあるように見えるけど、歴史はその距離をどんどん遠ざけた。

  まるで絵を眺めるように見つめている。
  その幻のような土地をワシたちだけが、よく知っている。
  

  同じ景色を見ていても、感じる場所が違うことが、時々、やっぱり寂しかった。

  それでも寂しさを感じられる心で、人恋しい自分の存在を知る。

  吹雪がやってくる。

  その知らせに、不安を感じるよりも先にワクワクできる心を持つ人に憧れた。

  その憧れに自分がなろうと決めたときに始めて、自分の意思で前を向けた。

  息が出来ないほどの突風を背中で受けながら、前へ前へとスノーシューを進める。

  不思議なんだ。
  そのときは、怖さよりも、自分が風に立ち向かえる一歩にただ興奮していたのだから。