剥き出しの命たちが、一日が終わる寸前まで、荒野で五感を研ぎ澄ませている。
不意に道路脇に立ち止まり、側溝を覗き込むと、彼は後ろ足をぐっと縮めた。
辺りの空気が一瞬、静まり返ったような気がして、思わず息を飲む。
ザッ!という音と共に、枯れ草に消えた。
そっと近付いて、カメラを構える。
捕えられたネズミは、痛みを感じる暇もなく息絶えただろう。
動かなくなった餌をそっと地面に置いてから、私を振り返って彼は食事にありついた。
しかし、彼ほどふくよかではなく、毛並みも悪い。
狩りが上手い個体なのだろうか。
野生下での勝ち組を表しているかのように、彼の黄金の毛皮が、夕陽を一身に浴びて、キラキラと輝いていた。
文明から放り出されれば、とたんに心許ない、ちっぽけな私の命。
明日を占わない彼らの孤独が、黒く闇に染まっていく瞬間が。
凍えるような寒さの中で、忠実に命をまっとうする彼らの姿に勇気をもらってもいた。
ただ、美しい。



