内なる木を植える | 想像と創造の毎日

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写真は注釈がない限り、
自分で撮影しております。


  その土地で捕れるものをその土地で消費するということは、素材を一番美味しい状態で食べることができ、その素材を保存するための文化を受け継いでいくことである。


  ここいらでは、タコといえばミズダコだ。
  マダコよりも水分が多いため、味では劣るとされてきたが、昨今では、その柔らかさから調理の幅が広いため、その評価は見直されている。

  刺身やしゃぶしゃぶで美味しいのは、ミズダコだそうだ。

  貝類、タコやイカには、タウリンという栄養ドリンクの成分としてよく謳われている疲労回復物資が豊富に含まれているという。
 
  
  1ヶ月ほど前に秋鮭で飯寿司を作った。
  発酵はほぼ完了し、あとは逆さまにして水切りをするだけだ。

  師匠が冷凍庫を片付けているとタコが占拠していたと言った。
  違う方法で保存するべく、こちらも飯寿司に変身させる。


  秋鮭と違い、タコはそのままの状態で食べられるので、塩漬け、塩抜きの手間がかからず、発酵する期間も短くて済むそうだ。

  タコのタンパク質とタウリン、麹菌に含まれる乳酸菌、野菜類の各種ビタミン群。
  それらが一体となり、飯寿司はそれだけで完全栄養食となり得るのではないだろうか。

  厳しい冬を乗り切るための素晴らしい先人の知恵だ。

  切った野菜とタコ、ごはんや麹を重ねていくと、その色のグラデーションの美しさに心は踊る。

  手間暇も大切な調味料なのだ。
  食べ物を作るということは、決してめんどうな作業ではなく、人間の生きる過程における基本的な遊びの一環のような気がしていた。

  育て、捕まえ、切り分け、味付けをし、見た目を美しく飾り、出来上がりを待つ。

  それは自己の内なる世界で綴る一種の物語のようだった。

  誰にも奪えない私の想像と創造の世界だ。

  それは発展していく科学が効率化させ、失わせていく事柄に対しての、私一人のささやかなる抵抗なのだろう。