Braveboardと違って、スピードを出さないと進まないし、一旦漕ぎ出すとすぐにスピードに乗ってしまうのでとても怖いのです。
不安定な地面の上で、何度も何度もボードを漕ぎ出す練習をします。
ボードが自分の身体の一部になる感覚を覚えさせるためです。
30分も漕ぎ続けると汗が噴き出します。
ずっと走っているような感覚です。
それでも少しずつ、ボードの上でバランスを取れるようになってきました。
娘の実習が終わりました。
指導者の方も患者さんも優しかったと言っていました。
最後の日には患者さんが泣きそうになっていて、自分も泣きそうになったと言っていました。
失敗もしたけど、めげないですぐに直す努力をした。患者さんに一生懸命だね!と褒められて、お世話したあとにありがとう。と言われたことがすごく嬉しかったんだと言っていました。
記録は苦労したけど、楽しかった。
その言葉が私には一番嬉しかったんです。
人に感謝された瞬間に努力は報われる。
それは、自分が他人に勝ったことよりもずっと尊いことのような気がしました。
頭を空っぽにして、ボードを漕ぎ続けた。
自分が前に進む動力で風が起こる。
太ももの筋肉が痛みを伴って震えます。
苦しいけど、楽しかった。
楽をして簡単にできることなど、虚しくなるだけだ。
苦しくないと、筋肉にならないだろ。
息子の見下したような言葉に負けず嫌いの私は奮い立つ。
でも、勝ち負けじゃないんだっけか。
身体をおもちゃにして、遊んでるだけだ。
文明に甘えされられた身体から野生の力を取り戻すのだ。
重力に従って衰える身体に努力で抗っている。
奪って、奪われる命だ。
せめて、死ぬ瞬間まで、自分の足で歩き続けられますように。
