めんどくさい女が
今の職場にいるんです。
と、他部署へ移動した
久しぶりに会う後輩が言った。
その子は仕事の愚痴とか
上司の悪口をいろんな場所で
吹聴するのだけど、
それをあとで注意されると
大声を上げてみんなの前で
泣くのだという。
飲み会では、
いろんな男の人に媚を売り、
率先して注文を取ったり、
お酒をついだりするのが、
押し売りっぽい。
自分の話ばかりする。
しまいには私たちと仲良しで
彼女の直属の上司である
みーちゃんのことを
口うるさいお局だとか
言いふらしているのだとか。
男に媚を売ろうが、
自分を良く見せようと
気の利くふりをしようが、
自分のことを見てもらいたくて
どれだけはしゃごうが、
私は別にそんなに不快では
ないけれど、
私の大好きなみーちゃんの
悪口のようなものだけは
許せなかった。
バカが。
とつい、口に出てしまう。
無知を晒け出して、
恥をかくことは若気の至りだとしても、
みーちゃんが自分の青春時代を
削るようにして、
後輩たちを育てることに
一生懸命であることを
わかろうとしないで
被害者面する想像力のなさに
呆れる。
自分のやっていることに
いちいちダメ出しされる。
自分は悪いことをしていないのに
嫌われている。
そもそもアドバイスや注意を
ダメ出しだと捉えることも、
いいとか悪いとかの基準で
物事を考えることも、
他人が自分のことを
好きなのか嫌いなのかに
意識が向くことも、
全部、自分を認めて欲しい気持ちが
強過ぎるからなのだろう。
認めて欲しいんだ。
愛して欲しいんだ。
自分が認めて、
愛する以上に。
春の足元は、枯れた秋の名残のままで
腐りかけのドロドロとした
形を留めない茶色で
敷き詰められている。
冬のその潔癖なまでの白さが
命の終わりの姿を
覆い隠していた。
けれども
凍えそうな地面の下は
そのドロドロとした
形のない茶色で
確実に新しい命を
芽吹かせるための
エネルギーを宿らせている
じわじわと温かくなる
光の季節を感じながら
その暗い地面を突き破る
タイミングを
いまかいまかと
待ち侘びているのだ
蝶になるまえの蛹の中身が一度
液体になるように
命はその過程で何度も
形を失っていくことが
必要なのだろう
みーちゃんはいつも
自分で自分のことを
お局というけれど
他人が言うのは面白くない。
腹が立って、
怒って、
許して、
諦めて、
傷ついて、
やさしくなった
誰にでもいつか
花は咲く
誰でもいつかは
蝶になる
種類や大きさや色に
違いはあっても


